ウェルカム・ホーム!

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784103780052

作品紹介・あらすじ

「フツーの家族」って、なに?「結婚」なんかしてなくたって、血なんかつながってなくたって、家に帰ってきたときに、「おかりなさい!」こう言ってくれる人が、たぶんあなたのほんとの家族。ふつうとは少しカタチが違うけど、とっても温かいふたつの家族の情景を描いた心ぬくぬくの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「「フツーの家族」って、なに?「結婚」なんかしてなくたって、血なんかつながってなくたって、家に帰ってきたときに、「おかりなさい!」こう言ってくれる人が、たぶんあなたのほんとの家族。ふつうとは少しカタチが違うけど、とっても温かいふたつの家族の情景を描いた心ぬくぬくの物語。」

  • 普通の家族ってなんだろう。
    結婚するって、家族の意味って、なんだろう。
    普段は考えないことを違った視点から考えさせてくれる、普通の小説に見えてすごく新しいと言うか、意外。そして心温まる。自分をフツーじゃないと思う必要はなくて、人を思う気持ちがあればいい。そんなことを思わせてくれる素敵な物語。

    1つめの物語(ふたりのパパのお話)、2つ目の物語(男運の悪いバツ2のキャリアウーマンのお話)とも、ありそうでなさそうな家族設定。多様性の現代ではこんな家族も実際には存在しそう。
    家族愛、血の繋がりとは関係ない親が子を思う気持ち、そして子が親を思う気持ち、言わなければ伝わらない思い、口にする勇気と通じ合った時の喜び。やっぱり言わないと伝わらない。感謝も謝罪も。

  • バブル期の話もあり、今とずいぶん状況が変わったなーと驚く(主婦のランチで普通に2万円のコースを食べるなど)。普通の生き方とは何か、普通の家族とは何か。世間が考える「普通」なんて意味がないよね!というメッセージを受け取った。勢いがあって読みやすかった。

  • 同性愛者でも無く、血のつながりも無いけれど、男2人で子供を育てている家族の話。
    血のつながりのない娘を真実愛しているけれど、離婚を機に別れ別れになってしまった母娘の2編です。
    軽快であっという間に読ませる中編なのですが、妙にほろりとさせられます。血のつながりはとても重要だけれど決定的なものでは無い。身を持って体験している自分だからこそとてもとても共感してしまったのかもしれません。

  • 心があたたかくなる話でした。

  • 自分の子供ではない子供を育てる二人の人物がそれぞれ主人公の2編物でした。この作家さん初読みです。最初の渡辺毅の方は、この本の前に重いテーマのを読んだせいか、主人公の喜怒哀楽についていけませんでした。個人的には2作目の方が好きかな。主人公の児島律子が昭和30年代生まれのバブル時代を背景に描かれているので、バブル時代未経験の私には珍しくもあり、世界観に馴染めない部分もありました。でもラストはほっこり、うるっと来ました。

  • 面白かった!古さを感じない。

  • 「渡辺毅のウェルカム・ホーム」「児島律子のウェルカム・ホーム」。

    血の繋がらない親子関係を描く2編。

    どちらかといえば、児島律子篇のほうが、暖かな気持ちにさせる。

  • これは亡くなる1ヶ月ぐらい前に出た本かな?
    舞台にもなりました。


    血のつながりの無い2つの家族の物語。 時代はバブルがちょっと終わった頃。

    自分のだらしなさが原因で何もかも失ったタケパパこと渡辺毅。
    全くだらしなくも無かったのに息子以外全てを失った英弘。
    英弘の提案で、毅は主夫(シュフ)をやることになる。(二人は恋人同士ではない)
    奇妙な男3人の生活。その息子、憲弘が書いた作文がタケパパを驚愕させる。。


    2度の結婚に失敗した児島律子。1度目は旦那の浮気、2度目は旦那の借金。 2度目の旦那には連れ子の聖奈がいた。
    天使のようにかわいいそのこを律子は一生懸命育てた。
    しかし、離婚という形でそれは終わった。。
    それから数年。聖奈と結婚したいと言う男が現れた。
    なぜ?今?私に?困惑する律子。しかしそこには聖奈の切実な律子への思いがあった。。


    二つの物語は繋がってはいないけど、どちらもほっとする読後。
    血の繋がりなんて関係ない。家族は家族だと言ってるようだ。
    物語の最後には、「おかえり」と誰かが誰かに言ってるのが聞こえてきそうです。

  • 大人の男2人と、男の子1人で暮らすお話。
    不思議な関係の3人だけど、心が暖かくなる。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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