- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784103808022
感想・レビュー・書評
-
「余分」の美しさを知らされたのは、この作品だった。
泣きたくなるときに、あいたい友だちがいるって、しあわせなことだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
窓を開けながら果歩は言い、晴天というのはどちらかというと不幸に似ている、と思った。しれも恒常化してしまった穏やかに不幸に。(本分より抜粋)
日常生活のなんでもない物事なのに、何故だか読まされました。 -
果歩と静枝の淡々としたそれぞれの生活。読み終わったあとだからなんなの?といいたくなる人も多いかもしれない。こういう何気ない生活をつづり、心の微妙な動きを書くのがうまい作家は江國さんだけかも。
-
厚かましくない友情、これがじつに爽やかに描かれ、
いい具合に力のぬけた優しい物語で、
読後感がとても心地よいです。
-
江国香織の小説は、共感できるけど、それは孤独とかやるせなさで、読んでいて落ち込んでしまう。今回は「余分な時間」の話だから、余計すっきりしない。
-
高校生のときに、図書館に通い詰めるきっかけになった本です。手あかのついた言葉ですが、「本がこんなにおもしろいなんて!!!」と、はじめて思いました。
29歳の果歩と静枝。
小学生の頃からの友人である二人の女性、それぞれの日常や、心の動きが淡々と綴られています。
お互いのことをある意味家族よりもよく知っていて、そこから生まれる小さな諍い。知りすぎているが故に、決して口には出せない言葉。
そんななかで、ちょっとだけ変化してゆく果歩の気持ち。
その後ハードカバーを自分で買い、何度も何度も読み返しました。読むときによって、少しずつ感じ方が違います。
たぶん、今後もたくさん読み直すのではないかと思います。