幸田文の箪笥の引き出し

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104052011

作品紹介・あらすじ

その時々の思いが胸を衝つ-きものを通して愛娘が描く"幸田文の世界"。きものを爽やかに美しく着こなした幸田文。その残されたきもの一枚一枚に美的感性が燦めく。母と娘の切なくあつい思いが伝わる感動のエッセイ。芸術選奨文部大臣賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 物の収まりどころを考える、最後の面倒を見るという考え方。私も気にかけている事柄である。

    それにしても着物の描写が見事で、生地を見てみたい、触れてみたいと思う。洋服と違って形が同じだった分、模様や生地の素材、色、がとても重要だったんだろうなぁ。素晴らしきかな。

    にび色のお話しを読んで染物って楽しそうだと思った。

    「桃の夭々たり~」の下りの漢詩の引用とか、歌舞伎のお姫様の赤と白の持つ意味、古事記の二人兄弟の話、など、色んなことを知っていると、物事の感じ方がとても豊かになるなーと、この本を通して実感した。

    p10の婚礼衣装を選ぶ時の、選択していくやり方というかテンポの良さっていうのはすごいなと思った。自分はどの程度で満足か、それを基準にして考えてみると、その金額で最も効果的な方法が考えられる。
    そうである。

  •  四季折々の着物にまつわるエピソードを通して浮かび上がる、幸田文の美意識や着物への様々な思いは、読者の背筋を伸ばしてくれる。
     様々な慶弔の折に必要な着物を「誂える」ための布や色選び、仕立てのこだわりに目を見張る。
     今では見られない、夏の「洗い張り」の生き生きとした描写も楽しい。
     時折出ていらっしゃる露伴先生の姿は愛情と懐かしさに包まれて穏やかだ。
     「物の納まり」という言葉。「どんな物でもいい加減におっぽり出してはいけない。終わりの面倒を見てやらなければならない。」という言葉は耳に痛く響いた。
     着物の春夏秋冬、おむつから婚礼衣装、喪服、経帷子まで、一生の中の着物、様々なこと感じさせながら、読後感は清々しい、お勧めの一冊。

    お着物好きにも、カラー写真のお着物や帯の取り合わせなども楽しいと思う。

  • 青木玉 著「幸田文の箪笥の引き出し」1995.5発行です。着物、塗下駄、蛇の目傘や着物を着た露伴、幸田文、青木玉などの写真が多いので読みやすかったですw。和服がお好きな方には、特に楽しい作品ではないでしょうか!

  • 「きもの」の装丁について、幸田文さんの一人娘、青木玉さんが、著書「幸田文の箪笥の引き出し」(平成7年、新潮社)の中で、ご自分の花嫁支度として誂えた黒い羽織にまつわるエピソードを綴っておられます。

    続きはこちら⇒http://wanowa.jugem.jp/?eid=620#sequel

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