- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104121021
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■移民労働者問題を深く考えさせる
今後日本は、総人口が減少し続け、高齢化がさらに進行し、そして生産年齢人口の大幅減少を迎えることになる。この生産年齢人口を補うための一つの方策として、各方面で考えられているのが、既に行われている外国人移民労働者のさらなる受け入れだ。
本書では、主に1990年代から2000年代にかけて日本で労働従事した日系ブラジル人家族のその後を追っている。貧困、犯罪、一家離散。その内容は正直言って悲惨なものが多い。原因は流入労働者たちの無知さも勿論あるが、受け入れ側の企業・行政・地域社会の無作為、無関心も見逃せない。日本を愛しながらも、暮らしのためにブラジルに出稼ぎに出、数々の苦労を経験してきた日系人たち。その末裔たちが、状況は異なるが祖先と同じように日本での居場所をなくしていく様子は読んでいて辛い。彼らに感情移入してしまうのは、同じ日本人の血が流れているということも理由の一つかもしれない。
多くの箇所で、日系ブラジル人の子供たちについて触れられているが、解決への第一歩は教育サポートに違いない。入国させるからには、日本で暮らしていくことがいかなることか理解させる必要がある。本書によれば、2005年にはやっと、国も重い腰を上げ、外国人の受け入れと社会統合、そして「共生」のために取り組み始めたという。移民労働者の問題を通して、「海外に向けての国際化」だけでなく、「国内での国際化」に向けて、自分に何ができるのかを深く考えさせる一冊である。 -
実は 家の周りでは 南米からの日系の方は それほど多くなく 圧倒的に 中国からの 人たちが 多いわけですが 似たような 問題は 起きているような気はします。ただ 中国から来ている人たちの場合 もれなく おじいちゃん おばあちゃんが いるわけなので 子どもだけで 置いていかれるのではなく 祖父母と子どもだけで 置いていかれる って感じかも