- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104166022
作品紹介・あらすじ
国民的詩人・金子みすゞはいかに生きたのか。実弟・上山雅輔の目を通して描く、画期的伝記小説! 実の姉と弟でありながら、金子家と上山家で別々に育てられたみすゞと雅輔。互いを深く理解し、芸術を愛する友として過ごした青春時代、そして内に秘めたる恋心。姉はなぜ自ら死を選ぶこととなったのか――。後に脚本家となる雅輔が残した日記を読み解き、大正ロマンと昭和モダンの時代を生きた詩人の光と影に迫る、衝撃のドラマ。
感想・レビュー・書評
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金子みすゞとその弟の話。
図書館で借りた。
金子みすゞの優しい詩は好きでしばらくよく読んでいた。
背景も知りたいと思い読んだが途中で断念。
詩そのものだけを味わう方がいいのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金子みすゞの自殺については、夫が悪者というのが陸軍悪玉史観のような公式プロットなのだが、そうではない多面的な視点が楽しめる作品。夫や兄嫁のような、芸術の世界に入れない人を傷つけていた一面もあったんでしょうね。そういうのも、芸術家の業なんでしょうか
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効果的な章立てでどんどん読み進めました。
大正、昭和初期の文学、芸能の大きな流れがわかったのも収穫。みすゞさんの詩をもう少し読んでみようかな…
それにしても童謡界の憧れの存在だった島田忠夫さんと金子みすゞさんの生涯は中々辛いものがありました。生きづらかったんだろう。
そしてギリギリまでみすゞさんと雅輔さんの姉弟のコミュニケーションは濃密。 -
金子みすずとその弟の人生が書かれたもの。金子みすずよりも弟・上山雅輔がメインかな。雅輔の日記を基に書かれたものだから仕方ないか。明治、大正、昭和初期という時代に生きた人間の不自由さがよくわかった。家を継ぐのが当たり前、親が決める結婚。そんな中でなんとか自己実現をしようとするみすずと雅輔。それにしても雅輔は向上心は強いくせに自分に甘い。甘すぎる。
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年上の女性と年下の男性の愛と恋を描くのが似合ってるw松本侑子さん、「みすゞと雅輔」、2017.3発行。事実を基にしたフィクションとのこと、ノンフィクションだと思います。林芙美子、佐多稲子、平林たい子らと同世代の童謡詩人、金子みすゞ(金子テル)。金子テルとは実の姉弟でありながら、養子に出され成人するまで知らなかった上山正祐(後に雅輔)。金子みすゞが26歳で自殺するまでの二人の関係、正祐のテルへの思いを軸にストーリーが展開されています。事実なるがゆえでしょうか、じれったい思い、そして雅輔のだらしなさが鼻をつきました。大正から昭和の時代背景はよくわかりました。
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金子みすゞさんの生い立ち、亡くなるまで。
可愛らしい、ほんわかした詩のイメージとはまた違う、現実の女性を感じた。 -
本来自分で読まねばならない金子みすゞと上山雅輔姉弟の書簡を代わりに読んで聞かせてもらったような気分。金子みすゞは詩人として名を残したひとで当時から認められていたという先入観を持っていたのだけれどそれを壊してもらった。 #抒情詩人留想譚
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膨大な 上山雅輔の日記を読み解き
彼女の人となり
その生き方にせまった書き方に
ああ みすゞさんは
立派に生きられたんだな
と胸が熱くなる 作品でした