- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104193035
作品紹介・あらすじ
コラムニスト中野翠はどうやって誕生したのか? マスコミ志望者必読! 「アンアン」に衝撃を受け、ルートヴィヒに憧れ、おしゃれと雑貨が大好き、喫茶店と森茉莉と落語を愛し、ハヤリモノに関心を持たずにいられない。「自分の場所」を探していつのまにかライターになった女の子が、雑誌に連載をいくつも持つまでに。女性コラムニスト先駆けの著者による70年代から現在までのマスコミ業界クロニクル。
感想・レビュー・書評
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「女性コラムニスト先駆けの著者による70年代から現在までのマスコミ業界クロニクル」という惹句そのものの本。
タイトルの印象から、「コラムニスト入門」的な内容を期待して手に取る人もいるだろう。だが、そういう要素はほとんどない。
ただ、著者が人気コラムニストになったいきさつが詳細に辿られているから、多少参考にはなるだろう。
「コラムニスト入門」というより、中野翠の〝物書きとしての自伝〟である。最近、出版界は自伝流行りだなァ。
1969年、大学を卒業したものの就職先がなく、父親が勤めていたという読売新聞社でお茶汲みのバイトを始めるところから、本書は説き起こされる。
そして、終着点は2010年代。
『サンデー毎日』の連載が30年以上に及び、ベテラン・コラムニストとして生き残った近年の様子が綴られる。
(1969年から89年までは一年一編のエッセイで綴られているのに、1990年代・2000年代・2010年代は各一編でサラッと総括される。つまり、70~80年代が中心なのだ)
約半世紀に及ぶ、〝ギョーカイ出世スゴロク〟という趣の一冊。
もっとも、著者はその道のりを「出世」とは考えていなかったかもしれない。林真理子的なギラギラした野心は、本書には感じ取れないから。
50代以上の読者、とくにサブカル好き・映画好き・本好き・雑誌好きなら、次々と登場する人名・雑誌名・映画名・スポット名などが、懐かしくてたまらないだろう。
各界の重鎮や物故者たちの若き日の姿が活写され、興趣尽きない。
また、個人的な思い出のみならず、事件やブームなどの大きな出来事も随所で振り返られる。ゆえに、1970年代から現在までの日本を映し出したクロニクルとして読むことも可能だ。
ただ、若者が「コラムニストになりたいから、読んでみようか」などと手を伸ばすと、内容の半分くらいは時代が違いすぎてチンプンカンプンかも。とくに前半は。 -
アグネス事件のことが少し書かれていますが、言い訳にしか感じられませんでした。今もあの発言が正しいと思っているならコラムニストとしてどうなの?時代を流れが見えていないの?と思いました。
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まずは中野さんが「1946年生まれ」で、ほぼ母に近い年齢の方を「ちょっと年上の苦み走ったお姉さん」と慕っていたのか!という衝撃。
そして今、中野さんが自伝を書かれてもおかしくない歳であることにも驚く。
1990年代前半に一番読んでいた。当時は雑誌がとても面白い時代だった。
中野さんの影響で映画なども観たし、俳優も知った。何を読んでも面白かった。
また、当時の私は林真理子派ではなく中野翠派だと勝手(そんな分け方があるか不明)に思っていたが、実は林さんと中野さんは一緒に働いていたこともあり友人のようであった。
年若き中野さんがなんとなくな気持ちを探ったりしながら、時勢やいろいろなことに影響を受け、興味を感じ、人(著名な方が沢山出てくる。能のある方は引かれ合うんだろう。)と出会ってゆき、次第に自分を確立してゆくことが書かれている。
時代背景や登場する方々とその時の中野さんを一覧したいので年表がついていたら良かった。
もっと中野さんの内側を知りたい、倍くらいの厚みでもっと深く書かれていた方が面白いのにと思ったが、自分のことを細々長々切々と書くのは中野さんはお嫌だろうな。 -
2022年1月12日読了