- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104299065
作品紹介・あらすじ
渡り鳥の足跡を辿り、観察し、記録することから始まった、待望の最新エッセイ。
感想・レビュー・書評
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渡り鳥を中心に据えて、まるで鳥の視線から見たような大きな視点で世界をみるエッセイ。
梨木さんの伝えたいという想いが強く伝わってくる。
物事というのは、そのことだけということでなくて、いろんなことが繋がっている。
だからひとつのことを突き詰めて考えていけば、自然と悟の域に到達できる気がする。
本を書くということは、すごく深い世界を突き詰めていくようなもので、本を読むということは、誰かの深い世界を垣間見せてもらうことのような気がする。 -
自然に造詣の深い著者が渡り鳥を追って冬の北海道~カムチャツカ半島へ。長い距離を飛ぶ渡り鳥に方向探知機をつけることの葛藤など、考えさせられることが多いです。
渡り鳥だけではなく、自然とともに生きる遊牧民や戦中戦後に「渡り」として生きるしかなかった日系人についての考察も。
全体を通して生真面目な梨木さんらしい一冊だと思いました。気軽に読める本ではありませんが、自然について、「渡り」について考えてみるいい機会になりました。 -
渡り鳥を追いかける旅にまつわるエッセイ。鳥にはそんなに興味がなかったのでなかなか読み進められなかったが、途中で、『春になったら苺を摘みに』に出てきた、電車で乗り合わせた日系アメリカ人の男性の話のその後に関わる部分があったので、読んで良かった。『春になったら苺を摘みに』が好きだった人は読むと良いと思います。
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渡り鳥を中心に筆者が感じる世界を垣間見れるようなエッセイ。
エッセイが苦手な私でさえ楽しく読めた『水辺にて』に続き、2冊目の梨木さん。
装丁の綺麗さに惹かれて読み始めましたが、読み進める中で「知識」として蓄積されている一つ一つの物事をこんなに深く感じ取れる人が居るなんて!と何度思ったか。
今の場所から新しい土地を目指して旅立つのは、誰にとっても勇気の要ることなのだと教えてもらい、背中を押してもらいました。 -
子供のころ星空を見ずに育った鳥は、大人になっても渡りの方角を定めることができない。それは自分の内側に外部の星々と呼応する星をもっていないことで・・・鳥も人もおんなじなんね。外に向かう自分を案内するのは自分の内側にあるなにか。やっぱ梨木さんのエッセイ好きだ!
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これは梨木さんが渡り鳥を追いつつ、
出会った「渡り」たちに触れている。
それはワタリガラスやヒヨドリ、
オオワシばかりではない。
生きてるものは
みな、「渡り」だ。
どこかに還りたくて仕方ない。
だから、
悲しいくらいに還る場所を作り続ける。
生まれおちた瞬間から、
私たちは「渡り」続けている。 -
時代と生物種を越えて交わる話が予想外で面白かった。
あれだけ鳥が見分けられるの凄い……。
鳥って凄い旅をしてるんだな……羨ましい。
最後の方、シリルの物語と通じるところがあった。彼も渡ったんだなあ。 -
時間を忘れて読むような小説とかではないけど
自然が描かれているものは、心穏やかになっていいです
科学ではわからない何か、渡りをする鳥たち
心が自由に解き放たれていく感じだなぁ
この文章から始まるレビューはとても魅力的でぞくぞく...
この文章から始まるレビューはとても魅力的でぞくぞくしちゃいました♪。
梨木さんの本は読むのですが、エッセイはまだチャレンジしたことがないので、是非呼んで見たいです★。
いつも素敵なレビューを拝見させていただきありがとうございます♪。