ばかもの

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 671
感想 : 169
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  • Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104669035

感想・レビュー・書評

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  • 泣けた。ヒデと額子の10年の歳月。一気に読んでしまった。
    内容とは関係ないが見開きの紙の手触りが非常によかった。

  • 最初から最後まで額子が額子らしくて良かった。私には中盤のドロドロがどうにも苦手だったけど最後はハマった。予想に反した爽やかな読後感が不思議。

  • この本は図書館で予約していた事を忘れるぐらいに待たされて、やっと手元に届いたものなのに、読んでみて何故これを読もうと思ったか??自分でも思い出せなかった。
    たぶん、新聞の書評で、絲山秋子の最新作が興味をひかれたから…だったような気がする。(今でもあやふやだ)

    出だしから予想外の展開。よもやアル中の話だとは思わず読み進め、ひたすら暗い内容が続くも最後まで読んでしまったのは、文章力のなせる業か。

    絶対にアル中なんかになりたくない。いや、人生イヤになったとしても、おちていくだけのモノには絶対になるまいと、この本を読んで感じた。

  • 自由奔放なとこと繊細なとこが混在してて、
    確かに額子は魅力的やと思う。
    アルコールに溺れる主人公は救いようがないけど
    最後には明るい未来が見えて、ちょっとホッとした。

  • うまく感情移入できないまま、読了。
    「沖で待つ」や「ダーティー・ワーク」で感じたのと似た違和感に包まれる。

    堕ちていく姿も、再生していく姿も、額子との再会も、愛しあうふたりも、
    ままごとのようにしか見えなくて、苦しい。

  • 大学に入ったヒデは学校にも行かずに
    バイト先で知り合った年上の額子とセックス三昧の毎日だ。
    しかし額子が結婚することとなり酷いフラれ方をしたヒデは
    かろうじて卒業、就職に成功して翔子と付き合うようになるが
    次第にアルコールに溺れていき追突事故を起こしてしまう。
    施設で断酒に成功したヒデは額子の母親を通じて
    大きな事故に会い離婚した額子に会いに行く。
    装画:福嶋舞 装丁:新潮社装丁室

    本当にこれ映画化するの?映像は難しいのでは。
    わかっていながらも飲まずにはいられない。
    アルコール中毒の葛藤が迫真です。
    そして「ばかもの」に篭められた愛。

    「社会というのは下車前途無効の切符なのか。俺は途中下車してしまったのか。もう二度と特急には乗れないだろう。鈍行だったら乗せてくれるだろうか。俺はまだ廃駅にはなっていない、俺の前にきっと電車は止まる。」

  • タイトルのセンスに脱帽!
    内容は女に振り回されたりアル中になって入院したり退職したりする一人の男性の人生なのですが、本当にばかものなんです。
    本来暗い話のはずなんですが、このタイトルに救われますね。
    友達をなくしていくシーンでも、心の中で「ばかもの!」って叫ぶとなんだかすっきり(笑)
    なぜか読後感がすごく爽やかでビックリしました。
    最初の章で額子とのアレコレを読んでいる間は、若者の話なのねって思っていましたが、結構長い年月を追ってくれるのもいいですね。

    彼を振り回すだけの人と、本当に心配してくれている人、そして心配はしているけれど自分への被害は最小限にしたい人など様々な人物が登場しますが、どの人もアルアルーって感じなのでしょう。
    自分の近くにこんなばかものがいたらどうするかなぁ。
    多分距離を置いちゃう冷たい私なんだろうと思います。

    後半、年齢と経験を重ねて(男性はアル中卒業するために入院したりして!)落ち着いていって安心しました。
    額子と幸せになれるのかは謎ですが、幸せになってほしいな。

  • 恋愛小説です。
    ということだけ知って先入観なしに読むと途中で思わぬ展開に驚かされます。
    あらすじ等のサキヨミ禁止

  • 男子大学生ヒデが転落し、その後、それまで関わった人たちに助けられながら
    自分の人生を取り戻すお話。
    こんな風に早いスピードで転落していく怖さと、
    どんな形であれ愛情が誰にも必要だってことなんだと思った。
    この人の作品を初めて読んだので、また違うものも読んでみたい。

  • 駄目男がバイト先で出会った年上の女性に夢中になったが振られ、その後就職したあと酒びたりになり色々なものを失ったあと、また年上の女性と再会する話。
    普通に面白いと言えば面白いけど、主人公の駄目っぷりがいやで、そんなに入り込めず…。
    読みやすいし、駄目男が転落していく心情は理解できた。軽く読めるから、他の本も読もうかなと思う。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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