六〇〇〇度の愛

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104695027

感想・レビュー・書評

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  • 第18回三島賞受賞。長崎が舞台だけど、むつかしい。

  • デュラスの『ヒロシマ、わが愛』の翻案といえるほど、文体、設定、物語の運びが似通っているのだが、デュラスの影響は本人も認めるところのようだ。短く切った文章はシャープだし、内面の描写をせずに、出来事に語らせるあたりうまい。比喩も嫌味にならないような抑えた使い方で、しつこくない。ただし、作品全体が意味を持ちすぎているような気がする。もっと無意味なものを小説中に取り入れて、いいかえればもっと「人間」から離れて、読者を幻惑して欲しい。
    主人公の女が関係を持つ、外国人男性がアトピーであるのは、もちろん長崎原爆という遠い過去の痕跡が表象されているわけだが、この連関もまた、もっと見えづらくていいと思う。
    しかし、ともあれ、この手のエクリチュールを使いこなせる作家は日本においては希少。他の作品も読んでみたい。

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著者プロフィール

1976年生まれ。1999年、「二匹」で第35回文藝賞を受賞しデビュー。2004年、『白バラ四姉妹殺人事件』で第17回三島由紀夫賞候補、2005年『六〇〇〇度の愛』で三島由紀夫賞受賞。2006年「ナンバーワン・コンストラクション」で第135回芥川賞候補。2007年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞受賞。2009年「女の庭」で第140回芥川賞候補、『ゼロの王国』で第5回絲山賞を受賞。2010年『その暁のぬるさ』で第143回芥川賞候補。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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