まぼろし

著者 :
  • 新潮社
3.08
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本棚登録 : 88
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104775019

感想・レビュー・書評

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  • 8年ぶりの母との再会に、心のざわつきを隠せない亜紀。家族の形、子どもの想い、親の想い…。物語の前後が少しぼやけてしまう印象ですが、そこは作風?と思いつつ、亜紀のその後がやっぱり気になるのでした。

  • 苦労して就活して就職したのに、特にこれといった理由もなくあっけなく退職してしまい
    無職となって実家に戻ってきて妹と過ごす台風の夜。

    高校生の時に家を出て行った母が
    8年経って父のいる実家に戻ってこようとしていることに
    怒りと当時の暗い記憶に押しつぶされそうになる心。

    1人で母の愚痴を永遠と聞かされる日々に
    何かに飲み込まれるという感覚、

    会いたいと言ってきた母に会うために
    待ち合わせ場所に行ったのに、肝心の母は現れなかった
    安堵と喪失感。

    無職になって漠然とした不安を抱える20代の気持ちとか
    母を完全には嫌いになることができずに苦しむ娘の心境、
    繊細でリアルだったなあ。

    母の犠牲者になった無防備で健気だった娘の気持ち、
    少し泣いた。

    靴下を溜めるだけ溜め込んで
    いよいよ履く靴下がなくなってまとめて洗濯に出す父に
    直接文句を言えずに娘に当たるって、
    靴下溜める癖がうちの旦那と同じで笑ったw

    この人にしか書けないような
    若い女の人の気持ちみたいなものが滲み出ていたような気がする。

  • 十八階ビジョン、まぼろし、両方とも胸をぎゅっとされた気分でした。
    こういう感覚に陥れる本は好きです。

  • なんだろ。
    特に大きな展開があるわけでもなく、
    ただただ、だらだら流れていく感じ。

    2つの物語がある。
    「十八階のビジョン」
    死ぬ思いをして就活をして入社した会社を4ヶ月で辞めてしまい、実家に戻った主人公。
    両親の旅行のため、妹と過ごす数日間の物語。
    なんというか、単純に帰る家があるということだけでしあわせなんだなぁと。
    「まぼろし」
    数年前に出て行った母親が戻ってくると聞いた主人公。そして母親との関係を回想していく。
    わかるなぁ~あの感じ。と思った。
    ずっしりきた。

    2つの物語に共通して思うことは、兄弟。
    同じ親を持つ者としての兄弟同士にしかわからないことってあると思う。仲がいい、悪いということ以前として。

  • 生田さんの本は図書館で見かけると絶対手にとっています。
    この本には短編が2つ入っていて、どちらの主人公も私より少し上の年齢。
    どちらもなんとなく人生に不安を抱えていたり、迷っていたりして…
    将来のことを悩む私にとって「あぁ、みんなもそういうことあるんだな」
    ってちょっと安心してしまいます。
    だからこそさんの本って読みたくなるのかも…。
    「十八階ビジョン」は、なんてことない話なのだけど、自分にも妹がいるので
    主人公と妹とのやり取りがなんだか感慨深かったです。
    表題作の方は、ラストがちょっとやりきれない感じでした。

  • 我慢するのが嫌になったから、耐えるのが嫌になったから、
    だから出て行ったんでしょう。

    それなのに、どうして

  • 「たとえば世界が無数にあるとして」がなかなかよかったので、他のも読んでみようかと。何年か前に読んだ「オアシス」に似ているなという感じ。家族関係が取りあげられているとことか。ところどころ最近のものに通じてる部分もあって、他にも何か作品あったら読んでみたいなとおもいました。

  • 淡々としていて、あんまりよくわからなかった。

  • どちらかというと同時収録の『18階ビジョン』の方が好きでした。2人きりの空間で干渉を避けながら、けれど仲よさそうに冷凍食品やホットケーキを食べて過ごす姉妹が好きでした。
    『まぼろし』は母を疎みながらも無視できない「私」の気持ちに共感できました。

  • うーん・・・この人がつくる主人公は、皆似過ぎてる。

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著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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