アマノン国往還記

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 58
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106006470

作品紹介・あらすじ

本書は、一神教の支配する「モノカミ世界」から「アマノン国」という「究極の女性化社会」へ布教のために派遣されるPの冒険記になっています。アマノンがどんなところか、そこでPは何をするか等々については、読者の想像力にお任せするとして、作者の最大の希望は、この小説がまずは「アマノン国探訪記」として楽しく読まれることです。それがどこかの国の話に似ていたとしても、別に諷刺のつもりではありません。全体を読み通すことが長い蛇の体内を通り抜けていくような体験になる、といった小説ですが、この蛇がまた「メビウスの輪」よろしくねじれていて、絶対に割り切れない不条理が残るような構造になっています。でもとにかくアマノン国という予宮内的世界が存在することを信じて下さい。

感想・レビュー・書評

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  • 女権社会アマノン国に布教を目論み闖入したモノカミ教宣教師P(男性)の奮闘記。まぁこれは想像通り子宮を世界に見立てたミクロの決死圏的メタファーなのだが、Pの大暴れ振りをエロ&グロ露悪趣味寸前でとどめるユーモア感は倉橋由美子たらしめるところ。ナンセンスにも気品がある。人を食ったような破茶滅茶な風刺にほくそ笑む著者の姿が目に浮かぶようだ。したたかな人だ。たいへん面白く読めた。でもやっぱり「パルタイ」や「婚約」の頃の方が好きなんだよな。

  • ■新潮社 1986.8.25
     新潮社版装幀 (c)PAUL WUNDERLICH 函:Eva Ⅱ 1965, 表紙:Das Blatt La feuille 1971
     新潮社版オビコメント「人類が世界最終戦争を終えて一千年、宣教師Pの性と宗教と革命の大冒険!」「小説の面白さを回復し、現代文明に毒の矢をはなつ」 ※ 純文学書下ろし特別作品
    ※ 新潮社ハードカバー裏:著者コメントあり
    ■新潮文庫 1989.12.20

  • 変態で天才だなあ。前半がよかった。

  • うれしいことに私の住んでる市の図書館に在庫がある。

  • この小説にはそれでもやはり、この世界に対するうらみみたいなものが表れている気がする。ぜひ男性に読んでみてもらいたい。感想を聞きたい。

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著者プロフィール

1935年高知県生まれ。大学在学中に『パルタイ』でデビュー、翌年女流文学賞を受賞。62年田村俊子賞、78年に 『アマノン国往還記』で泉鏡花文学賞を受賞。2005年6月逝去。

「2012年 『完本 酔郷譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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