デュシャン (新潮美術文庫 49)

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  • Amazon.co.jp ・本 (93ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106014499

感想・レビュー・書評

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  • (2003.07.25読了)(2002.02.09購入)

    ☆関連図書(既読)
    「セザンヌ」中原佑介著、新潮美術文庫、1974.05.25
    「モディリアーニ」中山公男著、新潮美術文庫、1974.05.25
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    【展覧会】
    ◆瀧口修造とマルセル・デュシャン
    主催:千葉市美術館
    会場:千葉市美術館
    会期:2011年11月22日(火)~2012年1月29日(日)
    観覧料:一般 800円
    観覧日:2012年1月26日(木)

    「本展は、300点を超える作品や資料をとおして、瀧口修造(1903 - 1979)とマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp, 1887 - 1968)の交流を紹介します。第1部では「大ガラス」を未完のまま放棄した1923年以降のデュシャンの作品を展示し、第2部では瀧口とデュシャンの具体的な交流やつながりを、二人の作品や写真・書簡等の資料によって編年順に跡づけていきます。また第3部では、ジャスパー・ジョーンズ、マン・レイ、荒川修作、岡崎和郎をはじめ、瀧口が交友を結んだ14人の作家たちによる、瀧口ゆかりの作品およびデュシャン関連作品を展示します。」(ホームページより)

    瀧口修造の展覧会は、2005年4月に世田谷美術館で見たのですが、「?」という感じで、お手上げでした。デカルコマニーに関しては、不思議な魅力があるとは思いましたが。
    マルセル・デュシャンに関しても同様です。既製品にサインを入れるだけというのは、面白いけど、それをいつまでも続けることもできないわけで。
    それで、何で見に行くのか? ということになるわけですが、「わけがわからないものでも、何度も見たら違和感が消えて、なじめるかな」ということと、一般に芸術と認めている人たちがいるわけなので、何度か見たら、何か伝わってくるものがあるかな、ということです。

    マルセル・デュシャンの作品は、「泉」「自転車の車輪」「瓶乾燥器」等の既製品にサインを施したもののほかに、「階段を下りる裸体No.2」「トランクの中の箱(特装版)」等の作品が展示されています。
    クラナッハ、アングル、ロダン、等の作品にヒントを得た線書きのエッチング作品も展示してあります。
    このような作品制作の発想が、ジャスパー・ジョーンズにつながってゆくのが分かります。後半の方にジャスパー・ジョーンズの作品が展示してあります。
    デュシャンが自分の作品のミニチュアをつくりトランクに詰めてしまうという発想は、コーネルの箱につながってゆくようです。コーネルの作品も展示してあります。
    滝口修造とマルセル・デュシャンの交流を示す資料がいろいろあります。書簡、マルセル・デュシャンの別名のローズ・セラヴィ(Rrose Sélavy)のサイン、写真、等です。
    滝口修造の作品は、デカルコマニーやロトデッサン、ロトレリーフと呼ばれる螺旋というか渦というか円の重なりというか、どう評価したらいいのかわからないものが展示してあります。
    後半の関係者の展示に、赤瀬川原平さんの偽千円札印刷関連作品がありました。
    呆れて楽しめばいいだけなのかもしれません。
    (2012年1月28日・記)

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著者プロフィール

1931年、兵庫県に生まれる。京都大学理学部物理学科卒業、同大学院の湯川秀樹研究室で理論物理学を専攻。1955 年、修士論文と並行して書いた「創造のための批評」が、美術出版社主催第二回美術評論募集第一席に入選したのを機に美術批評の道に進む。1970年に第10回日本国際美術展(東京ビエンナーレ)「人 間と物質」のコミッショナー、1976年と1978年にヴェネツィア・ビエンナーレのコミッショナー。2000年からは越後妻有アートトリエンナーレのアートアドバイザーを務めた。京都精華大学学長、水戸芸術館美術部門芸術総監督、兵庫県立美術館長などを歴任。2011年没。

主な著書:『見ることの神話』フィルムアート社、1972年/『人間と物質のあいだ―現代美術の状況』田畑書店、1972年/『ナンセンス芸術論』フィルムアート社、1972年/『大発明物語』美術出版社、1975年『現代芸術入門』美術出版社、1979年/『現代彫刻』美術出版社、1987年/『ブランクーシ―Endless beginning』美術出版社、1986年/『一九三〇年代のメキシコ』メタローグ、1994年/『なぜヒトは絵を描くのか』フィルムアート社、2001年など

「2022年 『社会のなかの美術 拡張する展示空間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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