kasaharapapaさんの感想
2016年8月2日
白州正子はボーボワールの第二の性の「人は女に生まれない女になるのだ」という言葉に反発し、「女になるならなぜ女でも男でもない人間になってはいけないのかそれが私のテーマであった」と書いている 思いのほか小さな、古びた漆塗りの箱に鍵もかけず2つの能面が仕舞われていた。翁と延命冠者。思い切りの良いおおらかな彫りの跡が今なおみずみずしくその生き生きとした表情に目を奪われた。魂が込められたものの命は時空を超える。それこそが本物と言うことだろう。
1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。 「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」