- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106021817
作品紹介・あらすじ
ミステリアスでストレンジ、そしてどこにも似ていない-フランス人ならではの"独創"が生み出した不思議な空間は、辛辣で容赦ない美意識が凝縮された世界。身分に関係なく素人や王様が追い求めたその世界は、時代をこえて残された夢の痕。60の"奇庭"の物語が、旅にいざなう。
感想・レビュー・書評
-
fra フランス
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この過剰さ、この情熱、名もない人たちが偏執狂的に作り上げた庭々に幻惑される。若い時分に欧州旅行をした際、どうしても見ておきたかった郵便配達夫シュヴァルの理想宮。実際かなり不便なところで日に数本しかないバスに乗り、目にした感動は忘れられない。ブルトンが絶賛したというシュルレアリスムを具現化したような構造物。懐かしい思いで手に取る。他に、大量のモザイクで埋め尽くされた墓守りピカシエットの庭、移動遊園地を再現した牛追いピエールの庭など…逸脱の小宇宙の数々。洞窟についての考察もおもしろい。
-
ロワール地方などを舞台とした作品です。
-
モザイクの緻密さに吐き気をもよおし、草木・花・水などの自然との絶妙な配分の庭に感激し、幾何学庭園と呼ばれる「不思議の国のアリス」的に植木が迷路のようになっている庭を見て色々とふしだらな夢想をする。
そんな本でした。
昨晩TVで大好きな日本画家・松井冬子が「計算されて出来たものが芸術」と、言っていたのだけれども、こういう奇想庭園も計算されて出来た芸術なんだ、と。
個人的に好きか嫌いかは別として素晴らしいですね、お宅様のお庭。 -
グロテスクで美しいと言う感性。