零式艦上戦闘機 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 92
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106036460

作品紹介・あらすじ

20mm機銃の弾道は曲がっていたか?最初は無敵だったのか?防御軽視は本当か?撃墜王の腕前は重要か?最期は特攻機用だったのか?初期の栄光から激闘の珊瑚海・ミッドウェイ海戦、南太平洋の消耗戦をへて、マリアナ・レイテ、本土防空戦までの推移を追いながら、飛行性能だけでなく編隊・戦術などの用兵面を検証し、全く新しい零戦像を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • 今までの零戦に対する見方が一変する作品でした
    急降下が苦手なのは機体が柔だからではなかった
    二十ミリ機銃はしょんべん弾ではなかった
    海軍の設計要求は過酷だったのか?
    と機体に関する今迄の定説を覆す解析を提示
    零戦の戦歴からみる海軍戦闘機隊の運用の拙さと米軍の戦闘機部隊の試行錯誤とその集大成との差
    零戦が末期に通用しなくなってきたのは機体性能の差だけではない。とか本当に興味深い作品でした

  • データに基づく零式戦闘機の考察。

  • 第二次世界大戦の傑作戦闘機、零式艦上戦闘機をこれでもかとばかりに詳細に解説している。
    よく零戦を神格化するような説を耳にすることがあるが、本書は結構辛辣に「そうでもないよ」と訴えている。しかし、良いところは絶大に褒めてそうでもないところはそうでもない感をしっかり述べている。その客観性が素晴らしい。また、装甲が薄くて人命無視的な意見に対してもそうでもないよと主張している。
    一番興味深かったのは、日本が負けてアメリカが勝利したのは、戦術レベルでアメリカは「割り切った」からだとしている点。戦争が総力戦となると自然、素人パイロットが増えてくるわけだが、アメリカはそれならチームワークで戦う、素人ケンカと割り切るという腹があったが、日本は玄人による格闘戦への拘りが捨てられなかった。それが勝敗をわけたという。ま、勿論、両国の物量の差などもあったかと思うが。

  • 今までのゼロ戦の認識に、別の見方を教えてくれます。
    例えば、
     1.防弾がよわい。⇒設計当時は、世界がそうだった。
     2.性能は最高レベルだった。⇒日本軍の快進撃にのって、その見方が定着した。  等。

    また、戦闘機での戦闘は、飛行機の性能よりも、集団で連携することや相手よりも有利なポジションにいることがより大切ということも分かります。

  • ゼロ戦には神話がある。開戦時の圧倒的な戦果、非力なエンジン、人命軽視の思想、優秀なパイロットの消耗、大戦後期の惨めな敗北。
    本書は従来の定説を新たな視点で見直した本である。初戦の戦果は攻勢の優位にあるとし、勝敗を分けたのは性能(だけ)ではなく運用にあったという。
    特に、太平洋地域における飛行場等の施設が劣悪であった事、戦果を過大に評価した弊害には言葉も無い。
    この新しい零戦像が広がって欲しいものである。

  • 全く新しい零戦像。

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