絶滅魚クニマスの発見: 私たちは「この種」から何を学ぶか (新潮選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106038648

作品紹介・あらすじ

70年の時を超え、再び姿を現した魚「クニマス」が語り始めた。1940年、秋田県田沢湖だけに生息した魚が環境改変で絶滅した――。だが、生きていた。遠く離れた山梨県西湖で。なぜ西湖に? なぜ誰も気づかなかったのか? クニマスという魚の驚くべき生態から生まれた疑問が発見を導き、分類学、ダーウィン進化論、そして絶滅に向きあった人々の歴史へと広がってゆく。「種」を巡る壮大な物語。

感想・レビュー・書評

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  • 武蔵野大学図書館OPACへ⇒https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000260273

  • 田沢湖で絶滅したが、絶滅前に危機感から卵を西湖や本栖湖に送っていた。そして西湖で再発見された。しかし本当に国鱒なのかどうかは同定が難しい。マス科の魚は差異が少ない、成長過程で形態が変化する、近縁種との交雑がある、など。

    また再発見者の中坊教授は海魚が専門だった。

    総じて詳細、正確に記載されている。

    しかしさかなクンには触れられていないのはなぜ?

    読了90分

  • [鹿大図書館・冊子体所蔵はコチラ]
    https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC06875710

  • 絶滅したとされていた「クニマスの発見」は、2010年の発見当時に大きく報道されたらしいが、実は記憶にない。
    本書は、その発見をされた魚類学者の著。
    クニマスの生物学的分析や同類のヒメマスとの違いなどは門外漢には馴染みがなく、とても理解したとは言えない。
    それでも、あっち立てればこっちが立たずのような生物と自然の絶妙なバランス。生物の保全とはそこの環境、生活する人々を含めて守っていかなければならないもの、どうあるべきかではなく私達がどうしたいのか、という指摘はとても示唆に富んでいた。

  • 田沢湖で絶滅したクニマスが、西湖で発見された。
    種のはなしから環境や人の繋がりまで。生物学的大ロマン。

  • 絶滅したとされていた秋田県田沢湖特産のクニマスについて、山梨県西湖で「発見」されるまでの経緯、その生物学的特性、人間との関わりの歴史、保全と里帰りの課題などを解説。著者は、クニマス発見の立役者の魚類学者。
    本書で綴られるクニマスの物語には、魚類の分類学、進化論、人間と自然との関わり、生物保全の在り方などいろんなテーマがつまっていて、とても面白かった。クニマスの同定に至る著者たちの知的格闘の部分が特に興味深く、学問としての生物学の勉強にもなった。

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著者プロフィール

1949年生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。京都大学総合博物館教授。京都大学大学院農学研究科兼担。農学博士。

「2015年 『日本産魚類全種の学名 語源と解説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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