釈迦に説法 (新潮新書 66)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100666

感想・レビュー・書評

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  • 渋柿のそのまま甘しつるし柿◆くらぶれば長し短しむつかしや◆うゐのおくやまけふこえて

    著者:玄侑宗久、1956福島県三春町生、小説家・僧侶、慶應義塾大学文学部中国文学科卒

  • 玄侑宗久氏のエッセイ集。禅僧であり、作家でもある氏が「禅」の立ち位置を明確に打ち出しながら日常を語る。一休禅師がでてきたり、僧侶が長生きするワケを考察してみたり。
    気楽に「禅」に振れるにはなかなか面白い本です。

  • 今日のなるほど

    頭では総論を想いながら、行動は一隅を照らす

    人間はよい人と悪い人がいるわけではなく、状況によってよい人にも悪い人にもなる。

    生きていく最大の楽しみは、おそらく眠っていた遺伝子を目覚めさせ、それまでとは違った自分に出会うこと。

    「苦」の反対語は「幸せ」ではなく「楽」。

    「自」然の「分」身が「自分」
    自然も分身も理解するという方法に似合わない在り方をいている=諸行無常

  • 芥川賞作家兼禅僧の著者が綴る仏教に纏わるエッセイ集。

    小難しい話はないし、説教じみた内容も少ない(ゼロではない)。読んでいて心持が楽になる説法である。特に、自殺と戦争に関する宗教からの考察は良かった。

    キリスト教の人間観と仏教的人間観の違いについての言及が目立つ。どちらも世界宗教として、完成された素晴らしいものではあるが、アグレッシブ感とか包容力という点で相反している価値観が多い。自分に自信が持てて勢いのあるときはキリスト教的に生きたいし、凹んでいるときは、仏教的に癒されたい。
    交感神経と副交感神経で人間の正常性が維持されるように、一神教と多神教で人類全体が維持されていると思うのは、些か強引な比喩であろうか。

  • 感情で事実を脚色したり、真実へ迫ることなく感情でものごとを曲げようとすることに対する指摘が鋭い。なかでも「泣いた赤鬼」「タマちゃん」への指摘がおもしろかった。 まわりの感情やムードやノリに合わせて儀式的に「こうしておけ」とふるまう行為が続いてできた習慣と、本来の儀式やムーブメントが生まれる背景をしっかり分けて語られているのが読みどころ。

  • 私はこの人の著書が好きです。
    作家としての文章力があり、禅僧としての独特の着眼点があり、読むことでなるほどと感心させられる所が必ずあります。
    今回も興味深い話が多く、あっという間に読み終わってしまいました。

  • [ 内容 ]
    一つの人生観に縛られていませんか?
    目標の実現に向けて「頑張る」ことに囚われすぎていませんか?
    苦悩した青春時代、己事究明に励んだ修行時代、禅僧であり、また、作家でもある現在―。
    幾多の経験を通して、身のまわりの出来事や、世間を騒がせた事件に触れながら、息苦しい世の中を、「楽」に「安心」して生きていくきっかけを教えてくれる。
    一話一話、読むほどに、心が少しずつ軽くなっていく。

    [ 目次 ]
    渋柿のそのまま甘しつるし柿(渋柿の甘さ;一隅を照らす;鰯の頭 ほか)
    くらぶれば長し短しむつかしや(タマちゃんと、寂しい「安心」;瞑想の中だけの「恒久平和」;正統なき「東洋的正統」 ほか)
    うゐのおくやまけふこえて(僧侶とお酒;僧侶が長生きするワケ;「あの世」までの四季 ほか)

    [ POP ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 言葉にすると真実は動く。

  • 2010年11月27日購入。
    2011年3月24日読了。

  • 仏教の世界観を現代科学の切り口で説明したり、お坊さんの日常などなぞの多い部分を軽い文体で分かりやすく説明している。仏教の世界観を、仏教の言葉ではなく現在科学の土俵で説明している。この作業は両方の世界の本質を理解している必要があるので、軽い文章だが圧倒的な深みがある。

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著者プロフィール

一九五六年福島県生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。八三年、天龍寺専門道場入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。花園大学仏教学科および新潟薬科大学応用生命科学部客員教授。二〇〇一年「中陰の花」で芥川賞を、一四年「光の山」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に、『禅的生活』(ちくま新書)、『荘子と遊ぶ』(ちくま文庫)、『やがて死ぬけしき』(サンガ新書)、『竹林精舎』(朝日新聞出版)などがある。

「2020年 『なりゆきを生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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