御社の営業がダメな理由 (新潮新書 165)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101656

作品紹介・あらすじ

「うちの営業は頼りない」「いい営業マンが育たない」等、会社員なら誰もが一度は感じたことがある不満-。諸悪の根源は「営業力」にまつわる幻想だった。問題の原因は個人の能力ではなく、システムにある。営業のメカニズムを解き明かす三つの方程式とその活用法を知れば、凡人揃いのチームが確実に最強部隊に変身できる。組織論、営業理論のコペルニクス的転回を提唱する全企業人必読の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 細かいテクニックではなく仕組みの作り方について書かれている。機会をどう増やすか、管理職への目標設定と動き方、日報>部下との面談など。


  • 巷の営業関連の本のノウハウを否定する前衛的な本でしたが、ある程度理解を示せる中小企業のあるあるが立ち並んでいます。

    個人的には、そうはいってもできることはあるから放棄しなくても、、、と感じる部分もありますが営業効果のプライオリティをしっかり見定めた内容でした。

  • 本書は、「営業は確率であり、後天的にレベルアップが可能な営業量と知識量への刺激であり、会社全体で取りこぼしを少なくする為の人材及び機能パズルの組み合わせである」という考えに基づき書かれた営業指南書です。

    本書の面白いところは、営業を方程式という目に見える形で表している点です。

    <「営業」を解き明かす3つの方程式(P.15)>
    1 営業結果=営業量×営業能力
    2 営業量=営業時間—(意識的怠慢時間+結果的怠慢時間)
    3 営業能力=営業知識量+営業センス力+グランドデザイン力

    これを踏まえ、先天的なものである営業センス力とグラウンドデザイン力に乏しい普通の営業マンは、営業知識量を増やすのは当然のこととして、やはり営業量を増やすしかない。
    しかも、ただ営業時間を増やすのではなく、営業量を増やすことが大事で、移動時間や読まれない日報作成の時間(結果的怠慢時間)を抑え、日報に変わり営業マネージャーによるヒアリングを行うことで、OJTや業務管理がしやすくなる。

    といったことを説明しています。

    まあ結論的にはとにかくアポ電、とにかく訪問件数、ということに繋がるのですが、根性論ではなく「なぜ」がわかるのはいいことだと思います。

  • ”刺激的なタイトルに惹かれて同僚に借りた一冊。「営業は不人気職種のひとつ」と自覚しつつ、営業の素晴らしさを信じて、結果を出す営業チームづくりに邁進した藤本さんの想いをみた。使えない営業日報を捨てて、ヒアリングと同行営業を専門におこなうマネジャーによる体制。やってみよう!


    読了後、藤本さんの著書『御社のトップがダメな理由』を購入して積読状態だったことに気がついた。こっちもよんでみるべし。


    <読書メモ>
    ・いくらセールストークなどが上手な営業マンであっても、勤勉に営業を続けなければ、有望なお客に巡り合う事ができず、せっかくの能力を生かすことができないという教訓です。(p.49-50)
     #ボトルネックは直接営業時間。ここを増やすことがなにより重要!

    ・商品開発の段階で、技術者が困難な問題に直面し、苦労に苦労を重ねて解決したというエピソードを一つ、二つ、NHKの「プロジェクトX」風に味付けして披露することができれば、数字を並べ立てるセールストークに飽きた営業先の耳にも新鮮に聞こえるはずだというのは予測の通りの常識の範囲です。(p.57-58)
     #機能ではなくストーリーを語る!!

    ★「営業センス」=営業活動に大きな影響を与える個人的能力&簡単に獲得できない資質(p.62-63)
     ?第一印象がよいこと(性格の明るさ、笑顔、声、信頼できると感じさせる話し方、がむしゃらさ、服装)
     ?ポジティブで負けず嫌いな性格
     ?記憶力(特に数字に強いこと)
     ?質問に対して簡潔に話す能力
     ?洞察力(相手の反応から購買の可能性を推察する力)
     ?的確なヒアリング能力(相手の欲していることを汲み取る力)
     ?人の悪口を言わない性格
     #著者・藤本篤志さんが力説する「もっとも重要なファクター」は?洞察力、?ヒアリング能力。
     #僕はつけくわえて、?悪口を言わない、も入れておきたい。社外でも社内でもこれは重要。言いたいことは直接言え!

    ・私は、担当者が、店が混み合う時間帯には客の回転率を上げ、逆に空いている時間帯には一人一人のお客にゆっくりと時間を掛けて買い物をしてもらいたいと考えていることに着目しました。(p.65)
     #大阪有線放送の営業マン時代、洞察力を発揮したエピソード。音楽セラピーの知識と組み合わせて、スーパーマーケットのBGM提案営業につなげた事例。

    ★私の見るところ、その理由は失敗の原因を常に上司や同僚、商品のせいにして、自分の非を認められないためだろうとおもいます。自分の短所やミスを省みないと、同じ過ちを何度も繰り返す羽目になり、おそらくプレゼンテーションの方向性さえ改めれば成立する可能性のある商談をみすみす見逃してしまうからなのです。(p.69-70)
     #役立たない日々の営業日報よりは、結果が出てからのKPT導入をやってみよう!

    ・意欲的な返答をしてくれた場合に限っては、
     「御社の稟議書は、どんなフォーマットなのでしょうか。下書きのようなことだけでも、私にやらせて下さい」
     と、頼んでみるのです。
      (中略)
     今までの経験上、十人に一人の割合で、稟議書の社内フォーマットを教えてもらって、次回までに下書きや骨子を渡すことができたのです。(p.75-76)
     #ここまでのねばりや情熱がないと契約はいただけないという例。ポイントは、藤本さんが自分の強み(提案書作成能力)を活かしたということ。下手くそな人がやると逆効果。自分の強みをもとに貢献すべし!

    ・ライバル社の製品を褒めちぎった上で、
     「実は当社から今回提案する商品は、御社がいまお使いのBGMシステムの良い部分をカバーし、その上でこれだけプラスαの画期的な仕組みになっております。もちろん、その分、コストも高くなります」
     という奇妙なプレゼンテーションを行ったのです。(p.79)
     #あくまでも価値を売る。しかも今までを否定しない(=過去のお客さま判断に敬意を払う)というところが重要かな。

    ★やるべきことはわかっていました。第一は営業の母数を増加させること。第二が、たとえ営業センスの伸びを期待できない部下だとしても、少なくとも知識やノウハウを繰り返し、教え込むこと。そして第三に、取りこぼしを減らすことです。
     (中略)この三つの課題をクリアするために行き着いたのが(略)営業マネージャーを「ヒアリング」と「同行営業」に特化させる新しい組織運営方法だったのです。(p.120)
     #これいただこう! この本の内容を共有しよう。

    ・この問題の解決法は至って簡単です。要するに、部下からの報告を求めるのではなく、上司が部下から「報連相」を引き出す機会を持てばよいのです。それを組織としてシステム化しなくてはいけないのです。それがヒアリングです。(p.136)

    ★第一に(略)営業時間を無駄にしている要因を探り出します。(略)多くの場合、それは営業日報などによる「結果的怠慢時間」です。
     その次の段階で、営業組織を整備し、営業マネージャーに「ヒアリング」と「同行営業」の実践方法を指導します。
     そして、最終段階で、その企業における営業知識の集約を勧めるのです。
     わかりやすく言えば、その企業の培ってきたノウハウを文書化し、「ノウハウバイブル」の作成を実行してもらうわけです。(p.180)
     #藤本さんの営業改善コンサルティングの3ステップ。自分たちで改革する際にも使えるはず!

    ・初顔合わせをした相手企業の担当者がどうも冴えない印象で頼りにならず、決裁権も持っていないと窺えるような場合は、その人物と人間関係を築いたところで、話は前には進みません。
     何とか、その担当者の上司との面談に持ち込むことが喫緊の課題となります。
     (略)
     「次回はこちらの営業部長を連れてまいりますので、御社の方でも、二、三人ご出席を願えないでしょうか」(p.182-183)
     #こういうステップ論で進めよう。

    ・すべては、自分の将来の怠慢を未然に防ぐためでした。三十歳まで自分を厳しく律して働けば、その仕事量という貯金で、体力が衰えてもダイナミックに仕事が出来るだろうし、また立場が上になったときに「楽をして働こう」という誘惑にも負けない精神力を鍛え上げることが出来るだろうと考えたのです。(p.187:あとがき)
     #モーレツ営業新人時代のエピソードをふりかえって。

    ★「センスは掛け算、知識は足し算」
     いかに理想を説いても、それを実現出来る人もいれば、出来ない人もいるのです。またそもそもそれぞれの人生の価値観も違うのです。
     それからは、部下指導及び営業組織作りが楽になりました。また結果的に部下のレベルアップが目に見えて実感できるようになりました。本書で、巷にあふれる営業セミナーと営業関連書籍では社員を育成できないと書きましたが、後天的な部分を丁寧に積み上げるプログラムを組めば、多少の営業センスがある人をはるかに凌駕する社員育成は可能です。(p.189-190:あとがき)
     #さいごの最後に力強いエール。「営業は不人気職種のひとつ」と自覚しつつ、営業の素晴らしさを信じる藤本さんの想いをみた。


    <きっかけ>
     同僚Tさんの机に置いてあり、刺激的なタイトルに惹かれて借りた本。”

  • 結果は営業量×能力。
    まずは量を増やす仕組みを作る、具体的には結果的怠慢時間(無駄だけど仕事している気になる仕事)を減らす。
    能力はセンスに関するところは伸ばしにくいので、社内ノウハウの蓄積に集中する。

    課題に対し力技ではなくスキームで対処するという論理は共感する。これは組織的改革なのでマネジメント層の権限と度量、覚悟が必要。

  • 御社の営業がダメな理由 (新潮新書)

  • 内容紹介

    「うちの営業は頼りない」「いい営業マンが育たない」等、会社員なら誰もが一度は感じたことがある不満——。
    諸悪の根源は「営業力」にまつわる幻想だった。
    問題の原因は個人の能力ではなく、システムにある。 営業のメカニズムを解き明かす三つの方程式とその活用法を知れば、凡人揃いのチームが確実に最強部隊に変身できる。 営業理論のコペルニクス的転換を提唱する全企業人必読の一冊。

    内容(「BOOK」データベースより)

    「うちの営業は頼りない」「いい営業マンが育たない」等、会社員なら誰もが一度は感じたことがある不満―。諸悪の根源は「営業力」にまつわる幻想だった。問題の原因は個人の能力ではなく、システムにある。営業のメカニズムを解き明かす三つの方程式とその活用法を知れば、凡人揃いのチームが確実に最強部隊に変身できる。組織論、営業理論のコペルニクス的転回を提唱する全企業人必読の一冊。

    著者について

    1961年大阪生まれ。 大阪市立大学法学部卒。USEN取締役、スタッフサービス・ホールディングスの取締役を歴任。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    藤本篤志
    1961(昭和36)年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。USEN取締役、スタッフサービス・ホールディングスの取締役を歴任。2005年(株)グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任し、営業コンサルティング事業、営業人材紹介事業を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

    目次
    第1章 「スーパー営業マン」誕生という幻想(あるダメ会社の光景 嘘の報告をする部下 ほか)
    第2章 二‐六‐二の法則で会社を考える(働き蟻の法則 中小企業に最優秀者は来ない ほか)
    第3章 「営業センス」は伸ばせない(標準社員に注目する 第三の方程式の意味 ほか)
    第4章 営業日報が元凶だった(疑惑の営業日報 嘘は見破れない ほか)
    第5章 営業を「因数分解」する(「追い込み」に意味があるか トップセールスマンはアベレージヒッター ほか)

  • 営業スキルをつけるという話かと思いきや、組織論の話であった。厳しく部下の管理をして、また自らもプレーイングマネージャーとして活躍するのではなく、まず、自社にはスーパープレーヤーがいない事を自覚し、作戦を練る事から始まる。部下に無駄な時間を過ごさせないようにする、例えば「業務日誌」の廃止だ。一見、部下を管理出来ているように感じるが、いざやってみるとその日誌は無駄な作成時間をうみ、強いては部下に嘘の報告をさせる事につながる。そのため、業務日誌を廃止し、部下とのヒアリング時間を毎日設けることが必要だ、大変なことのように聞こえるが、声に出す言葉には嘘が少なくなるし、総じて無駄な時間が減る。部下とコミュニケーションを図ることで問題の解決策が見つかるかもしれないし、難問には同行訪問をし、真摯な姿を相手方に見せることで、業績がよくなる。

  • んーーーこの前読んだ本の方がよかったが、参考にはなった。

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著者プロフィール

藤本篤志(ふじもと あつし)

1961年大阪生まれ。大阪市立大学法学部卒。株式会社USEN取締役、株式会社スタッフサービス・ホールディングス取締役を歴任。2005年7月、株式会社グランド・デザインズを設立。代表取締役に就任。おもに営業コンサルティング事業、人材育成コンサルティング事業、働き方バランスサポートシステム事業をおこなう。株式会社USEN現役時代に営業プレーヤー・営業マネージャーとして全国トップの実績を残した経験を活かし、数多くの営業改革を成功へ導く。『営業の問題地図』(技術評論社)、『御社の営業がダメな理由』『どん底営業部が常勝軍団になるまで』(新潮新書)、『御社営業部の「病気」治します』(日本経済新聞出版社)、『部下は取り替えても、変わらない!』(すばる舎)ほか著書多数。
ホームページ:http://eigyorevolution.com/

「2020年 『テレワークでも売れる新しい営業様式 ~直接会わずに成果を出すテクニックとマネジメントとは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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