つぶせ!裁判員制度 (新潮新書 254)

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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102547

作品紹介・あらすじ

結論。裁判員制度は違憲である。裁判員制度は人権を蹂躙する。裁判員制度は冤罪を作る。-ある日、突然、我々にやってくる「裁判員を命ず」という恐怖の召集令状。嫌々参加させられたら最後、一般市民が凄惨な現場写真を見せられ、被告人に睨まれ、死刑判決にまで関与しなくてはならない。国が進める世紀の愚行を、元判事が完膚なきまでに批判。いますぐこの制度を潰さないと、日本は滅びてしまうのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)168
    国家・政治・社会

  • ところどころに筆者の妙に感情的な文章が見られて、読んでいて違和感があった。
    とは言え、国民の声を無視した制度の導入、裁判官が(暗黙の了解とは言え)守秘義務を果たせなかった例もあるくらいなのに裁判員にも課している、最高裁のマスコミ(記者クラブ)との癒着、サクラが混じったタウンミーティング、税金を投入して広報活動、にも関わらず世論調査では国民の裁判員制度への評価は悪い、となれば気持ちも分からなくは無いと思った。
    事実認定と量刑の問題について、尊属殺人罪の例(尊属殺法定刑違憲事件)を出して、裁判員が量刑を決定することが出来ないことに異議を唱えていますが、これは確かにおかしいと思った。
    「国民の声が反映されて良い」と思っている人は一度目を通したほうがいいかもしれない。

  • 日頃から疑問視していた裁判員制度。元判事が問題点を洗いざらいぶちまけてくれる。この制度、本当に必要なのか。問い直させられる。

  • 司法は国会や政府から独立し、ただ法のみに縛られるという考え方らしい。三権分立で三権が相互にチェックし合うことが民主主義の基本だと思っていたが、ちょっと異なる。
    三権の中で立法行政が目立ち、重要だと感じてしまいがち。立法行政と比して司法の重要性を普段感じないのは生命身体思想信条の危機を実感する必要もない平安な世に生きているからかしらん。
    本書の要点は、憲法には裁判は法によって裁かれると規定してあり、裁判員は法を知らない素人だから法に基づいて裁くことはできないというもの。ただ「法によって」という要件は、法の素人かプロかということで決まるものかな。皮肉っぽく言えば、法のプロとしてのプライドみたいなものが主張の底にあるんじゃないか。
    米国の陪審員制度との比較を期待したが、ほとんど無い。
    筆者の主張は間違っていないとは思うし、自分が裁判員に選ばれればと想像すると不安も感じるが、ではそもそもこの裁判員制度を導入しようとしたのは誰で何が目的なのか。最高裁が、、、としきりに筆者は言うが、最高裁判事と筆者は同じ法のプロでしょ。何が違うのか。何か裏があるのかわからない。
    ちょっと期待外れもあるけど、裁判制度の理解には役立ったので良かった。

  • [ 内容 ]
    結論。
    裁判員制度は違憲である。
    裁判員制度は人権を蹂躙する。
    裁判員制度は冤罪を作る。
    ―ある日、突然、我々にやってくる「裁判員を命ず」という恐怖の召集令状。
    嫌々参加させられたら最後、一般市民が凄惨な現場写真を見せられ、被告人に睨まれ、死刑判決にまで関与しなくてはならない。
    国が進める世紀の愚行を、元判事が完膚なきまでに批判。
    いますぐこの制度を潰さないと、日本は滅びてしまうのだ。

    [ 目次 ]
    序章 元裁判員のしゃべりすぎ
    第1章 国民不在で決まった珍制度
    第2章 裁判員制度の基礎知識
    第3章 裁判担当者の条件
    第4章 素人が裁判を破壊する
    第5章 人権を否定する裁判員制度
    第6章 まだある欠陥の数々
    第7章 国民を欺く司法
    第8章 裁判員に選ばれる不幸
    終章 裁判員制度は実施前に廃止せよ

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    [ 参考となる書評 ]

  • 文章が酷い。

  • 代理人としてのプロがいかにも書きそうな
    匂いのする力技的な文章と展開。

    でも、現場にいるプロから見れば
    そういう考えかたもあるのですという見解が解って
    読み物として単純におもしろかった。

    タイトル通りの言い分がほんとうに正しいかどうかは
    本を読んでもよく解らない。

  • 始まっちゃいましたね。

  • 裁判員制度が開始する前に書かれた本です。著者は元裁判官の方で、本著は裁判員制度を元裁判官の立場から考えた本だと言えます。

    刑法・憲法・刑事訴訟法の概念も分かりやすく書いてあるので、法律を勉強していない方でもスッキリ読み進めることができると思います。

    (著者はタイトルから見て分かるように反対派ですが、)裁判員制度についての1つの考え方として読んでおきたい1冊です。

  • 「ゲーム脳の恐怖」とか「水からの伝言」とか「新興宗教」とか信じこんでいる人って意外といるんですよね。ああいう信じたいものしか信じない、嫌いなものは一切耳に入れない、しかも自分でその自覚がない人たちが裁判員になったら裁判なんかメチャクチャだよなぁ。

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著者プロフィール

同朋大学大学院人間福祉研究科・社会福祉学部准教授。臨床心理士。
名古屋大学大学院文学研究科博士前期課程(心理学専攻)修了(文学修士、1982)。愛知県児童相談所に勤務(1983〜1999)。1999年より同朋大学社会福祉学部専任教員。家族援助論、児童福祉臨床研究などを担当。児童家庭相談、特に児童虐待防止ケースマネジメントを研究。
主な著書等:『児童虐待へのブリーフセラピー』(共著 金剛出版 2003)、『新生児医療現場の生命倫理』(共著 メディカ出版 2004)、「サインズ・オブ・セイフティ・アプローチ入門」(共著 そだちと臨床vol.2 明石書店 2007)。訳書として、『安全のサインを求めて』(ターネル、エドワーズ著 共監訳 金剛出版 2004)、『児童虐待を認めない親への対応』(ターネル、エセックス著 共監訳 明石書店 2008)

「2008年 『子ども虐待防止のための家族支援ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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