- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106103964
作品紹介・あらすじ
世界的に大ヒットしたゲームのアイコンとなったことで、「脳トレの川島教授」は一人歩きを始めた。日本の街中に顔があふれただけでなく、スペインの地下鉄のポスターや、イタリアのテレビCMにまで登場。そのうえ研究者たちからは「科学的じゃない」との批判が始まり、果ては税務調査までやってくる始末…。「基礎科学研究の社会還元」とは何か。「脳ブーム」の功罪とは。渦中にいた当事者が初めて沈黙を破った手記。
感想・レビュー・書評
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ニンテンドー3DS「鬼トレ」を日常的に行っているので購入。ちなみにこの本はそれ以前に書かれたもの。
脳トレがどのような過程で効果があることが分かったのか、一時期流行った脳トレブームに関して作者の身の回りで起こった変化が本音で綴られている。
老人ホームにて行われた計算の実験の様子を読むと確実に脳を健康にする効果があるものだと実感し、自分も日頃から脳のトレーニングをして物事を効率的に進めたりなどできればと思った。
読み物としても面白い本です詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
右脳・左脳、男脳・女脳、Aha体験、脳トレ、、、どれも同列で認識していました。
この本では、まっとうな科学者である川島教授が脳トレにどうかかわってどうなって、どうすべきかを提案されています。
本書では、栄養研究所のホームページからの引用として
1. 具体的な研究に基づいているか
2. 研究対象はヒトか
3. 学会発表だけでなく論文になっているか
4. 精度の高い研究デザインか
5. 複数の研究で支持されているか
のランクで情報の信頼性について判定するようにとアドバイスしています。
残念ながら(出版して5年以上経つので)栄養研究所のホームページは見つからなかったのですが、
http://www.t3.rim.or.jp/~pxcqahid/newpage6.htm
↑ここを一読されればと思います。
脳トレは科学的根拠をもって(一過性のブームでなく)認知症をはじめ様々な効果があるとのことでした。 -
あの脳トレの川島博士が研究と騒動を振り返る。
一見頭を使ってるようなゲームでも実は頭の体操になっておらず(前頭葉の活性化が見られない)、単純な計算などの方が効果がある。ということで認知症の学習療法や脳トレが生まれていく。
産学連携の難しさなど言いたいことは分かるのだが、ちょっと脇が甘いというか、自分の言葉が一人歩きしてしまうことに対して隙がありすぎたようにも思える。脳トレが売れすぎてしまったことが不幸だった。
この本を読んで一番気になったのが、脳の活性化の起こる基準が複雑すぎて全くよく分からんということ。例えば包丁を使う時は活性化するがピューラーでは活性化しないとか。どういう刺激ならの部分が見えてなさすぎる印象を持った。
ちなみにTVゲームもそのゲームに慣れてしまうまでは脳が活性化するそうなので、絶えず新しいゲームをやり続けるのもいいみたいです。
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脳トレに対する批判への反論
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「脳トレ」の川島隆太教授の本。著者の脳科学にかける情熱と実績、科学者としての矜持を感じます。脳の活性化には朝ごはんをしっかり食べ読み書き計算で頭を使う、認知症の予防と改善には学習療法というのが自分と親、家族に活かせる教訓です。でも著者の研究成果への反論の反論がちょっとなー。
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hontoで購入
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学問と社会の接合点という問題に興味を持っていたので、こんなことが起こるんだな~と業界のいろいろを知れたところがよかった。
企業側のがめつさみたいなものも感じたが、研究者の側ももちろんお金がなくてはやっていけない。
研究者の姿勢みたいなものに著者が不満を抱いていたからこそ出版したのだろうけど、個人的な愚痴という印象が拭いきれない。
自分に対する批判への言い分がその都度書かれていたのは、正直もういいよと思った。そこを聞きたいわけではない。
自分が正しい研究者であると主張せざるを得ないほどのひどく大きなブームだったんだろうな。 -
基礎科学者の社会活動が予想外の大成功を収めた時、何が起こるのかを知るモデルケース。
学問の世界(それに通じる学校も)は特別で神聖、卑野な俗世間とは距離を置くべし、ですかね。 -
いわゆる”脳トレ”で有名になった川島教授が自分のこれまでの研究歴を記した一冊。というより、自分を批判する人々への反論、正当化と愚痴・悪口の一冊といった方が良さそう。その批判などはそのとおりだと思うし、有名になることでいろいろ嫌なことがあったんだな、とは思うけど、ここまでズケズケと本名を出して人の悪口を言うのは少し大人気ない気もする。随所に出てくる大学や学者の世界の裏側とか、大学で研究するということに対する信念などは面白く、有意義な内容。正直、この人が本書で書かれているような批判を受けていたこと自体を知らなかった。良きにつけ悪しきにつけ、本人が気にしているほどには世間は関心持っていないということか。
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脳トレDSのソフトを開発した川島さん自身の著書である。どのように批判され、どのような科学的根拠があったのか、さらに一般の脳科学者と自称する人々などいろいろと面白いことが書いてある。大学生が読むよりも、博士課程の院生や教員が読んで面白い本である。