- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106105517
作品紹介・あらすじ
東京五輪、尖閣、CIA、プーチン……全てをつなぐ一本の「線」とは? ニュースを鵜呑みにしていては、その深層はつかめない――最新国際情勢から諜報の基礎まで、「プロの読み方」を徹底解説! 世界と闘うためのインテリジェンス入門。
感想・レビュー・書評
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ほぼ10年前の出版。当時の外交、政治を手嶋、佐藤両氏がインテリジェンスをメインに語っている。縺れた糸をほどいてまた紡ぎ直すような的確な視点に驚くと共に、今だに弱腰外交を続ける官僚達にガッカリする。
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☆2(付箋4枚/273 P→割合1.57)
外交インテリジェンス識者の佐藤優と手嶋龍一の対談。雑誌連載で、何冊か出ているようです。
言語と言葉の使われ方を含めて「朝鮮語=北朝鮮言語」を翻訳できる外交官は外務省に一人しかいない、とか
写真に通訳が一人しか写っていないのはおかしい、本当の事情通は写っているものだけでなく、いないものから情報を得られる、とか随所の光る知見はさすがです。
・佐藤:いま手嶋さんは、「朝鮮語」と言葉を選んで言いましたね。日本の外務省には、韓国語の専門家はたくさんいるのですが、朝鮮語を、その内在理論まで含めて、正確に話し、聞き取ることができる人はたった一人しかいない。その人を同行させたのでしょう。
>>/> その情報を現在も維持している事が凄い。それこそ余人に代え難い、偶然育った人物なのでしょうね。
・佐藤:田中さん自身が明かしていますが、「ミスターX」に自分を信用させるため「総理の動静欄」を見てくれと伝えていたといいます。「あなたと会った後は必ず小泉総理と会って直接報告 している」と話して、相手を信用させたと手の内を明かしたわけです。北朝鮮側は、この経験を通じて、飯島内閣官房参与が総理と本当につながっているのか、その証拠を見せてくれと迫ったことでしょう。
・佐藤:中国共産党は、習近平を新しい総書記に選ぶ2012年11月の全国代表大会で「海洋権益を断固として守り、海洋強国を建設する」という表現を大会報告に盛り込みました。中国はこれまで膨大な人数の陸軍を擁する紛れもない「陸の大国」でしたが、このときをターニング・ポイントに「海の大国」を目指すことを鮮明に打ち出したのです。
>>/> これは、危険だ。お互いに覇権争いをし、自身が有能であることを競って示さねばならなくなる。
・佐藤:未曾有の危機に直面して、求められるのは知識などではありません。専門家の言うことをよく聞いて、余計な喧嘩はしない。これはという人に思い切って任せる。物事の判断が的確で、有能な人を嫉妬したりしない指導者が必要なのです。
>>/> 判断の早さと委譲する権限の範囲の思い切り。知識は不要、人を見る目も。きっと有能な人は話せば分かるのだろうから、むしろ任せられる度量が必要なのだ。
※付随して読みたい本
方法としてのアジア 竹内好
ウルフ・ホール ヒラリー・マンテル
城下の人 あれ野の花 望郷の歌 誰のために
(石光真清四部作)
インテリジェンスの賢者たち 手嶋龍一 -
面白かった。メディアでは報じられない裏話が多い。そして自分があまりに無知で恥ずかしくなった。佐藤優さんは、神学を勉強されてて、今尚続けているからこその意見だと思う。話の言葉尻からしても非常に頭のよさを感じる。二重忠誠の考え方は妙に納得。もっと知って欲しい考え方だと思う。
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ある程度知識がないとついていけなかった。。情報を見たままに受け取るのではなく、そこから何を読み取るかが大事だと思った
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佐藤優「国家の罠」同様、読んでおくべき本。
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主に外交・政治に関する2人の考えの披露の場である。
情報分析を担う者はこのように考えるのかという点で新鮮だった。
ニュースで見る一面だけでなくその背景、流れを踏まえた紹介は面白い。ロシアの紹介が中心となるのは、佐藤氏の経験によるところであるが、プーチン大統領や国のあり方はこうした人にしかわからないだろう。
インテリジェンスとは、経験・学習により身に着く部分が多いが、ある種のセンス・アートによる部分こそが昇華させうる。
外交・政治に関する見方の視点を増やすにはおすすめ。 -
なかなか自分自身のモノの見方とは離れているので、こうした見方もあるのかと新鮮な気持ちになる。
反知性主義についての記載や、インテリジェンス、トップのあり方など、外交に留まらない知見が多く面白く読み進めた。 -
この二人の対談はインテリジェンスネタだけで簡単に一冊の本ができてしまう。時事ネタ、国際ネタに直結するだけに、一般のメディアで報道するものとは角度が異なる。首脳同士で会談している一枚の写真からでも数多くの情報が得られると言う。普通の人にはなかなかここまでできない。