医者の逆説 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106107504

作品紹介・あらすじ

「私、失敗しないんで」なんて医者は信用するな! 私たちは医療に何を求め、何を諦めるべきか。遠慮も忖度も一切抜き、臨床の現場で悩み、考え抜いてきた医者だから見える真実が詰まった比類なき1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 命の問題についてはコストを度外視しても取り組むべき。そんな美名の下、結果として膨大なコストを次世代にツケとして先送りしている。国民皆保険制度が破綻してしまえば最低限の保証も受けられなくなる。著者は言う。たとえば75歳以上の高齢者へは高額薬剤による延命治療を差し控え、その代わり緩和医療を充実させてはどうか。医師でもある著者は、こんなことを言っても何のトクにもならないし、ただ嫌われるだけと自嘲する。とにかく角がたたないようにと逃げ腰の言論・議論が横行する中、批判は承知の助と蛮勇を奮う。高齢者は死ねというのか、などという感情論に流されるのではなく、今こそ一人ひとりが高額医療の問題について真剣に考えなければならない。

  • 多くの人に読んでもらいたい本。
    わたしは、この方の考え方に賛成です。

    反論を恐れず、根拠を提示して、自分の意見を世間に発表されているのは、素晴らしいと思う。
    新聞社の方には本当にがっかりした。

  • いつもながらの語り口で納得できることたくさん。
    QOLの件りは特に有意義だった。
    しかし同業者なら身を持って実感できることであっても、人の生き死にという現代人が最も遠ざけてきた事象に関する「耳の痛いこと(=高騰する医療費とか延命治療に関する問題)」がどこまで医療者以外のひとに響くのだろうか。どれだけ正論でも耳を塞がれてしまえば届かない。

  • 医者の立場から現在の医療制度について色々書いた一冊。

    のはずなのだけど、途中医療と直接関係のない政治批判的なものもあったりして、今一つ散漫な印象を受けた。

  • 正論、しかし受け入れられない正論。

  • 膨大なツケを次世代に押し付ける現実をまざまざを見せつけてくれました。また、それを主張しようにも、大手マスコミからは「世論の反発」を恐れて避けられる現実もあり、本当にどうすればよいのか、どこから手を付けたらよいのか悩む機会を得られます。また、「他人事」の感覚が我々の周囲を支配する無限の荒野であり、大人の事情が優先される寒々しい世界を知ることができます。

  • 医療を題材にした,この世の矛盾を羅列する.正論は常に虐げられ,正直者(この場合は医療従事者とか教育者等だろうか)は馬鹿を見る.

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