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- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106108556
作品紹介・あらすじ
その女傑は「戦犯名簿」を携えてやってきた――。第二次世界大戦後、まだ日中が「戦争状態」だった時代。数万人の残留邦人を救ったのは、一人の中国人女性だった――。戦後史に埋もれていた秘話を丹念に掘り起こす。
感想・レビュー・書評
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東2法経図・6F開架:319.1A/Ka86n//K
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1954年の李徳全(紅十字会会長)訪日とそれに至るまでの日本人引き揚げという前史を描いた本。別に「秘史」とまでは言えないと思うが。
引き揚げ、赤十字という一見人道的な事業でも、新中国と日本国内の左派勢力との関係、日本政府にとっての中国との距離の取り方と台湾との関係、土壇場で李徳全が政治的発言をしたことで外相との会見が流れる、など極めて政治的だったことを実感する。この訪日を無事終わらせるため、警察と左派が呉越同舟で暗黙の協力、というくだりが面白い(当事者は面白いどころではなかっただろうが)。
廖承志も周恩来も、知日派ではあっても戦時中は抗日、戦後は用日であり、親日や反日というナイーブなレベルではない、との指摘が興味深い。と同時に、この当時の中国は、自らの利益のためにだが対日関係をこれだけ重視していたことがよく分かる。中国の国力が増大し外交が多角化した現在ではそうではないのだろうが。
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