恥ずかしい人たち (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106108716

作品紹介・あらすじ

どういう神経? 態度がエラそう過ぎるオッサン、言い訳する能力もない政治家、“義憤”に駆られた「リベラル」「保守」―。時に実名を挙げ、時に自らを省みながら綴った「壮絶にダメな大人」図鑑!

感想・レビュー・書評

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  • 本書には…日常の様々なケースに出現する『壮絶にダメな大人』が次々と登場する。

    徹底的に敬語使用を避け尊大な態度が過ぎるおっさん、端から公平な立場にいない『紐付き』第三者委員会、生活に窮していないにもかかわらず格差や貧困を嘆き、挙げ句に『抜本的対策が必要です』で仕事完了の上級国民コメンテーター、言い訳も役人が書いた作文棒読みの厚顔無恥な政治家、『ネトウヨ言説』を真に受け、FBに差別的な書き込み大炎上する『ネットde真実』に毒された中高年、インスタ映えを意識しすぎるあまり眼前の料理がひからびても撮影に勤む人、とにかく何かあると『アベのせいだ』と言い、それに対して『お前は隣国の回し者だ』と言い返し、SNSで広角泡飛ばし大ゲンカする人…登場。

    そこに共通するのは、一向に反省すらしない人たち。著者は『あゝ恥ずかしい〜』と嘆息し、返す刀でそれに気づけない人たちを取っ捕まえ、事例や実名を挙げ、時に自己省察も重ね、ではどうすれば良かったのかを提示。この提示、結果からの意見具申ではない。冷静に考えればできたこと、感情の発露を抑えればもっとマシな対応ができたことが大半である。

    かつて『飲み屋では政治とプロ野球と宗教の話は避けよ』と言われた。昨今、それはネットに舞台を移し、日夜自身の正義を信じて疑わない者同士の不毛な戦いが繰り広げられている。

    『恥ずかしい人』の増加は『大人の幼稚化』の増加を物語る。人は齢を重ねるにつれ、知識と知恵を蓄え、そこに社会経験が加わる。そう、熟成していく。今風に言えばエイジング。ウイスキーが木樽の中で透明から琥珀色に変えていくようにそれが『真っ当な大人』への道程である。

    昨今の大人はまどろっこしいのか『考えること』を放逐、ネット上の玉石混交の話を玉なのか石なのかを見極めようともせず、小気味良い蛮勇な意見に我が意を得たりと追従。大人の熟成はスキンケアではない。断じてアンチエイジングに疾ったらあかんのです。

    70年余り前、『恥の多い生涯を送って来ました』…と太宰は『人間失格』に綴った。サントリーBossのCM風に言えば、『この国には太宰以上に恥ずかしい大人が増えているようだ』トホホ…。こんな大人にはなりたくないと咆哮するおっさん。

  • 偏屈な人の感想集。そうだよなと思うものもあれば、逆も然り。箸休めによろしいかと思います。

  • オバタリアンとか 
    今までは おばさんが良くターゲットに
    書かれていましたが
    これは男性も結構書かれていました。

    どのシーンも あるあるという感じで
    こういう本を 当事者が読んだら 
    どう思うのだろうと思って読みましたが
    もしかしたら 気が付かずに笑って読むのかも知れませんね。
    私は 自分の事かもと 思って気をつけたいと思いました。

  • このくらいのコラムをスラスラと書けるようになりたいものだ。内容はとかくすごいってことではないと思うのだが、そのすごくない、普通の文章を普通に書けること自体がすごいことだ。
    自身の中にある情報量とそれら情報を紡ぐスキルとセンスがあるのだろう。どうやったらそれらのスキルやセンスを身につけられるのか。そういった類の本を読みたくなった。とりあえずエッセイを手当たり次第に読んでみるか。

  • ひねくれている人が好きなら面白いと思う

  • ラーメン食べ歩きブログに通じるしょうもなさ。うーん。

    昔のネット特有のノリで世間を切ってるけど、この人自身がもうインターネットの見世物になってる現状を考えると、すべてが痛々しく見えてしまう。

    挿絵のまんしゅうきつこの漫画が、本文読んでねーだろっていうレベルで噛み合ってない。詰めが甘い。読む価値はないです。

  • 中川淳一郎氏の本。図書館で借りたがほとんどの著書を読んでいる。今回は「はじめに」から相当面白い。

    以下メモ。
    ●馬鹿な大人の私怨と思い込みとデマによるバカ義憤により、日々感情を揺さぶられている人がいる。
    ●高輪ゲートウェイはセンス悪いとは思うがJR東日本の決めたことにいちいち文句をつける筋合いはない。

  • ●地方議員にしても、ビジネスで財を成した人間が副業的に市議会議員をやっていたりするわけで、結局は自分本位である。AIの方がまっとうな判断をする場合が多いのでは?
    ●新型頃中の日本では、かつて虐げられたロスジェネ世代による「俺たちの気持ちがわかったか」といった叫びが見られた。氷河期に国から見捨てられた自分としては、今補償を求める人々の気持ちには賛同できない。
    ●クレーマー。日ごろから他人にかまってもらえないため「迷惑を受けている立場」を強調することで、相手にしてもらおうとしているのでは?
    ●第三者委員会をチェックする第四者委員会の招集を必要なのではないでしょうか。
    ●大関以下の力士は休場したら番付が落ちるから必死なのに、なんで横綱だけ休み放題なのか?そんな横綱に品格なんかあるか?
    ●くら寿司はバイトテロではなく、テレビ局を訴えるべき。今や広告主とテレビ局の力関係は圧倒的に広告主の方が強い。テレビ局に勝手に拡散された広告主は訴えるべきだ。
    ●ロンドンに赴任した友人から「俺は日本人としては金持ちだけど、イギリスのサラリーマンが躊躇なく飲むコーヒーが飲めない」
    ●世の中って案外保守的です。子供の頃、21世紀が来たら相撲も演歌も廃れると思っていました。あまり慌てなさんなとAI危機騒動に対しては思うことしきりです。
    ●子育てブログ、子供の許可がない問題
    ●洋服でいちいち悩むのは無駄なことだと考えています。洋服などは原価が23割で、後は会社のブランド代に使われている。デザイナーが巨額の富を得る背後には「ファッションに悩む人々」の不安を賢く利用した面があるのでしょう。だったらもうファッションごときで悩むのはアホだ。

  • 時事ネタを含むコラム
    もっと辛口かと思ったけどそうでもなかった

  • かつてなら単行本で出ていたはずで、新書としてはただのエッセイで読むに値しない。

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著者プロフィール

編集者、PRプランナー、ライター
1973年生まれ。東京都立川市出身。大学卒業後、博報堂CC局で企業のPR業務を担当。2001年に退社し、しばらく無職となったあとフリーライターとなり、その後『テレビブロス』のフリー編集者に。企業のPR活動、ライター、雑誌編集などを経て『NEWSポストセブン』など様々なネットニュースサイトの編集者となる。主な著書に、当時主流だったネット礼賛主義を真っ向から否定しベストセラーとなった『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『ネットのバカ』(新潮新書)、『夢、死ね!』『内定童貞』(星海社新書)など。無遠慮だが本質を突いた鋭い物言いに定評がある。

「2020年 『意識の低い自炊のすすめ 巣ごもり時代の命と家計を守るために』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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