決定版 大東亜戦争(下) (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106109140

作品紹介・あらすじ

なぜ終戦の決断は遅れたのか。日増しに敗色が濃くなる中での戦争指導、終戦とその後の講和体制構築、総力戦の「遺産」までを詳述。現代において最高の歴史家たちによる「あの戦争」の研究、二分冊の下巻。

感想・レビュー・書評

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  • 上巻に続いて、下巻では大東亜戦争や太平洋戦争と言う名前付けや、戦後の皇族のアジア諸国に対する慰霊の旅や戦争終結に向けての動きなどが書かれています。
    大本営と言う存在が上手く機能せず、軍部が勝手に動いて、中国での戦争の場を広めていく。政治家である民が軍をコントロールしないといけないが、それが出来ない国は滅びていく。

    今回印象的だったのが、外交の大切さではないかと思いました。長い目で見て、譲るべき所は譲り、機が熟したら、果敢に攻める。しかし、軍隊は短期的な視点でしか見れない、目の前の利益を手に入れないといけないから、譲ることはないという。人の本能の様なものかもしれませんが、戦争ほど非効率的なものはないですね。

  • 特に第7章戦争指導体制、第9章戦争終結、第11章賠償問題が勉強になる。個人的には下巻の方が面白かった。
    ・日本は統帥権を実務レベルで調整する仕組みを最後まで持たず、大本営会議は報告の場に過ぎなかった。これは、デモクラシーのイギリスが戦時独裁を許容したこととの対比で興味深い。
    ・日米間に存在した信頼関係のためポツダム宣言を受諾することができた。

  • 東2法経図・6F開架:210.75A/Ke63k/2/K

  •  下巻は8章。戦争指導と政軍関係の米英との比較が面白い。米は、ローズヴェルト個人の力量による文民優位の貫徹と、戦後の制度化。日本と同じ議院内閣制の英でも強力な政治指導があったが、チャーチルの個性のほか、多元的民主主義下での戦時「独裁」の許容が指摘されている。多元的権威主義下では「独裁」が許容されなかったという。
     ほか、戦争終結にあたり、「聖断」はもちろん、「国体護持」と戦争目的が限定されたことや、米知日派など日米間の一定の信頼関係の存在。対ソ・対CCP関係と、中華民国「戦勝」の意味。対アジア諸国賠償が経済協力方式となるまで。平成の天皇皇后両陛下「慰霊の旅」の意義。あの戦争の呼称について多方面からの見方。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター名誉教授

「2020年 『戦争のなかの日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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