- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106109737
作品紹介・あらすじ
日本の水道管は総延長にして地球17周分、うち4周分は法定耐用年数の40年を過ぎている。しかし、地中に埋められた水道管は、材質や地質、環境によって大きく寿命が異なり、交換の優先順位を的確に見極めなくてはならない。今、その難題に挑むのが、水道管を「見える化」するDX技術を持つAIベンチャー「フラクタ」だ。全米82・国内34事業者が採用、その精度世界一。水インフラの救世主、挑戦のドキュメント!
感想・レビュー・書評
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必需品や公共的サービスで、各戸への物理的な配送を必要とするものはどれも、昭和の終わりごろまでは、ほぼ永久的に拡大トレンドが続くという根拠なき想定を設備投資における暗黙の前提としてきた。ところが、経済と人口の拡大傾向は既に終わり、現状維持と縮小を、新たに前提とせざるを得なくなり、最大時のネットワーク設備をそのままこれから先も維持することは、ほぼ不可能となっている。あとは、必要な分をどれだけ効率的に維持するかだ。
本書の著者の加藤が推進する「フラクタ」のように、座して手に入るような情報だけでDXを謳い保全の効率化を図るのは、定期交換方式のようにともすれば過剰となりがちであった保全コストを自動的に削減できるという点で一定の効果はあるだろう。しかし、水道事業は設備の固まりであることに間違いはないが、忘れてはいけないのは実際に「面的に拡がりをもつネットワーク状のリアルな」設備が核心であるということだ。いくつかのノードにおける水圧、計量から推測される漏水、設備台帳、土地形状、道路交通量などなど、AIが使えるデータはいろいろあるだろうが、「各流路設備のリアルな点検」を保全体系にうまく取り込まないと、AIが見るデータ空間と実際の設備はどんどん乖離していくだろう。おそらく失敗する。AIとDXは、リアルに踏査するデータを適切に更新することで初めて機能する。天気予報と同じだ。本書からは、その点が読み取れない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東2法経図・6F開架:518.1A/Ka86s//K
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老朽化が進む水道管の更新を、IT技術による効率化に挑む起業家の本。日本だけではない欧米の事例を元にした説明には説得力があり、ITがこれからの必要な技術だと納得してしまう。
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p99 会津三泣き 会津に移り住む人に対する会津人の気質を表したもので、一泣きとは、とっつきにくさに泣かされること、二泣きとは、次第に会津の人の優しさに泣かされること、三泣きとは、会津をさらなくてならなくなったときに、別れがたさに泣かされること
p100 会津若松 1967- 富士通の企業城下町だった。2008年リーマンショック、富士通会津若松から撤退2014年 -
加藤崇:崩壊の道を静かに進む「水道」老朽化の悲惨な未来 #東洋経済オンライン (2022.12.9) https://toyokeizai.net/articles/-/636907