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- Amazon.co.jp ・本 (493ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106401268
感想・レビュー・書評
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ようやく6巻読了、といっても小難しい対談なんかは流し読み。しかし痛切に思うのは、昔の芸術家は頭がいいなぁ。語彙もすごいが理論立ててしっかり話ができている。
ということで本巻には長編小説『けものたちは故郷をめざす』が収録されており、これは20年以上前に読んだときはただただ苦痛で観念的な小説だという感想だった。
50歳になって久々に読んだわけだが、まるで逆だった。ストーリーはかなり具体的だし、『終りし道の標に』などでの観念的で難解な言葉は影を潜めている。『砂の女』『箱男』『燃えつきた地図』などにつながる閉そく感、堂々巡り感が生理的かつドライな表現で迫って来て、巻置く能わざる状態。
『笑う月』に登場していた、かさぶただらけの化け物の夢とこんなところで出会うなど、何十年か振りの再読してよかった……。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「砂の女」と「他人の顔」が収録されたものです。
初めて安部公房を読みましたが、ものすごく怖い。
「砂の女」は砂に、「他人の顔」は顔に焦点を当てた物語になっていましたが、どちらも焦点の当て方がすごく徹底的。
どちらも映画化されているようなので見たいのですが、TSUTAYAにはなく・・・
ちょっと江戸川乱歩的な感じかなあと思っていたのですが、また違う薄気味悪さです。特に、「砂の女」の、女を村人の前で犯そうとする場面は秀逸。
どんどん人間の内面にもぐっていってしまうような気持ちになります。
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