三島由紀夫全集 (39)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (776ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106425790

作品紹介・あらすじ

小説家や批評家との文学論のみならず、映画・演劇論、伝統芸術家との芸談、政治談義等、昭和24年〜43年の多彩な対話40編。

感想・レビュー・書評

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  • ジャジャジャジャーン、新しい希望の年、西暦2011年=平成23年=昭和86年=大正100年=明治144年=皇紀2671年が10日前から始まりました。

    遅ればせながら、あ・け・お・め、です!
    今年もよろしくお手柔らかにお願いします。

    スタートが遅れたのは他でもありません、正月休暇という世間の慣習にかこつけて、スキー三昧・登山三昧・スキューバーダイビング三昧・スイミング三昧・ゴルフ三昧・ラグビー三昧・武道三昧・料理三昧と、ええっとそれから恋愛三昧、これは残念ながらなかったと思いますが、ともかく普段なまった心身をフル回転して八面六臂に飛び回ってきました。
    唯一、ラグビーで擦りむいた膝の傷がまだ少し痛むくらいで、家中が風邪ひきの中ひとりなぜか元気なのが気味が悪いくらいです。
    あっ、そうそう、三日も経たないうちに禁断症状が出てきて、野菜を包んである5年前の新聞を貪り読んでいる自分を発見して苦笑したりして・・・。

    さあ今年も、息をもつかせぬ言葉の弾丸をぶっぱなすことを宣言してお年賀に代えます、なんちゃって。

     ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

    さて、この三島由紀夫全集第39巻には総勢50人におよぶ40編の対談が収録されていますが、今まですべての小説・戯曲・エッセイ・評論を読んできたのに何故か対談集は未読で、いつか時間があったら読もうと思っていてもなかなか読む機会がなかったのですが、先日TV番組で小山明子に活き活きとした声で介護されている大島渚を見た途端、急に巻末の「ファシストか革命家か」と題された大島渚との対談を俄然読みたくなって、暇にまかせてついでに最初からぜんぶ読んでしまいました。

    三島・大島対談は、文学だけでなくあらゆる対象についての言葉使いに違和感を抱かさせられ、それになんといっても思考の方法そのものにやはり隔世の感じは拭いきれませんが、それよりなにより、ふたりの会話はほとんど擦れ違いの様相を呈していて、よってもって双方の危険度が相殺されているような気分になるくらいです。

    ただひとつ、おそらく両者が金科玉条としているのが他ならない、義によってことをなす、というまるで赤穂浪士の討ち入りのようなアナクロニズムの最たるものかもしれないと気づいた私は、そうか、イデオロギー思想心情よりも大事な大切なものがあるかもしれないということを、改めて思い知ったのでありました。

    それにしても、大島渚が三島由紀夫の『鏡子の家』や『美しい星』を映画化したいような発言をしているのを読むと、やっぱり見てみたかったと思うのは私だけではないと思うのですが、もう実現しそうにないのがたいへん残念です。


    この感想へのコメント
    1.カーチャ (2011/01/10)
    パワー全開の正月休みのお話に胸のすくような思いがしました。今年もいろいろと御教示下さい。楽しみにしております!
    2.薔薇★魑魅魍魎 (2011/01/12)
    つたない戯言にいつもお付合い下さって恐縮です。

    ともに今年も思う存分、自由奔放に狂喜乱舞して読書三昧の極致を味わいましょう!

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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