チャイコフスキー・コンクール: ピアニストが聴く現代

著者 :
  • 中央公論新社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120017421

作品紹介・あらすじ

中村紘子がピアノの最前線で書いた音楽への熱い想い。世界的大コンクールの審査員として、これまで触れられることのなかったその舞台裏を描き、国際化時代の音楽の現状と未来をあざやかに洞察する、初の長篇エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • ピアノには門外漢で聴くだけだけど、「羊と鋼の森」や「蜜蜂と遠雷」等 ピアノやコンクール絡みの本が面白かったのでこちらを読んだ。小説とは違うけどとても面白く読めた!中村さんが2回目の審査員をした1986年の第8回チャイコフスキーコンクールに纏わる話だけど審査側の視点がとても興味深いね♪コンクールは1ヵ月間に亘りピアノ ヴァイオリン チェロ 声楽の4部門が一次予選 二次予選 本選と実施されるけどピアノ部門の審査員の立場からのさまざまな視点や意見が興味深い。そして自身ショパンコンクール4位入賞の経験もあるからクラシックピアノやコンクールに関わる日本人の可能性と限界にも話は及ぶが初版以来30年、果たして今の実態を中村紘子さんは天からどんな風に見ていらっしゃるのでしょうかね?

  • 日本における西洋文化のそしてピアノの発展の歴史と今がわかる本。
    ピアノは高度経済成長時代の産物で、ピアノがある家に憧れた1970年代が出荷台数のピークだそうな。私もその時代にピアノを習っていたけどそれも時代の流れだったのねと思いつつ、今また再開してレッスンを受けている。
    今は「弾く」とか「弾ける」ということではなく、「曲をどうピアノで表現するか?」ってことがテーマ。でもそれは1980年代に中村ひろこさんがこの本で日本人コンテスタントに足りていない点として挙げている。日本人だけでなく世界で活躍できるピアニストとそうでない人の違いとして、挙げている。
    クラシックのプロなんて目指している訳ではないけど、中村ひろこさんも言っている大切な弾き方を教えてもらっていることに感謝したい。ちなみに私はこの本を最近読んだいい本として今のピアノの先生から借りました(^.^;

  • 去年亡くなった著者の作品は福田章二つまり夫の庄司薫へとなっている、私の青春の作家であった作品中の赤ずきんちゃんは中村紘子のこととばかり思っていたものだが、肝心の夫は筆を折ってしまったようである。ところで本作であるが、文章が上手いことにまず驚いた、第8回チャイコフスキーコンクールの審査中に思った、世界及び日本のクラシック事情を綴っている。演奏家の需要が供給過多となっているなか、何とかプロの演奏家を発掘しようとするのがコンクールの狙いのようである。しかし日本の音楽大学も結果として大量のアマチュアだけを誕生させているのが現状のようで、こういったことを知ると中山七里や去年の恩田陸の「蜂蜜と遠雷」等の音楽小説は成り立たなくなっちゃいそうだ。

  •  
    ── 中村 紘子《チャイコフスキー ・コンクール ~
    ピアニストが聴く時代 198811‥ 中央公論社》1989 大宅壮一ノンフィクション賞
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4120017427
     
    ♀中村 紘子 ピアノ 19440725 山梨 東京 20160726 72 /旧姓=野村/籍=福田
    /1965 ショパン国際ピアノコンクール入賞/197409‥ 庄司 薫と結婚
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B9%C9%BB%D2
     
     庄司 薫   作家 19370419 東京 /籍=福田 章二/三省堂専務の息子
    http://booklog.jp/search?keyword=%E5%BA%84%E5%8F%B8%E8%96%AB&service_id=1&index=Books
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BE%B1%BB%CA+%B7%B0
     
     岩城 宏之  指揮 19320906 東京 20060613 73 /異19320902/木村 かをりの夫
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B4%E4%BE%EB+%B9%A8%C7%B7
    …… チガイの判る男として、インスタントコーヒーのコマーシャルに
    登場しているのが岩城宏之センセイである。東京芸術大学に8年も学び、
    NHK交響楽団では若くして終身指揮者の称号を得た。
     初めて海外遠征を企てたN響が、彼を登用したのは、ショパン・コン
    クールで知られた中村紘子に、どこの馬の骨だか分らない若手指揮者を
    組みあわせたのだ。かくして欧米の一流オーケストラまで、ことごとく
    彼の棒にあやつられている。
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19781020 JOKE BOX ~ 男性専科・冗句箱 ~
     
     海野 義雄 Violin 19360214 東京 /N響演奏長/1975‥‥東京芸大教授/石田 真二の娘婿
    /19811201“ガダニーニ”芸大バイオリン事件 1208 逮捕/198504‥ 収賄免職、懲役一年半、猶予3年。
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19700331 よど号の人々 ~ 赤軍派ハイジャック事件 ~
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B3%A4%CC%EE+%B5%C1%CD%BA
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20110124
     堤 剛   チェロ 19420728 東京 /200404‥ 桐朋学園大学学長
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C4%E9+%B9%E4
     
    ♀中村 曜子 月光荘 19260221 東京 19920210 65 /1988 ミラノ事件「銀座画廊」会長/紘子の母
    ♀中村 紘子  女優 19780624 愛知 /籍=? [A] T153.B76.W55.H80.40K(2000)
     
    (20160729)
     

  • (2002.11.25読了)(2002.09.27購入)
    ピアニストが聴く時代
    第20回(1989年) 大宅壮一ノンフィクション賞受賞
    内容(「BOOK」データベースより)amazon
    中村紘子がピアノの最前線で書いた音楽への熱い想い。世界的大コンクールの審査員として、これまで触れられることのなかったその舞台裏を描き、国際化時代の音楽の現状と未来をあざやかに洞察する、初の長篇エッセイ。

  • 1988年出版なので今のクラシック音楽業界とは異なる部分もあるだろうが非常に興味深い。今のクラシック音楽業界についても是非お聞きしたい。

  • お堅いイメージのあった中村紘子氏ですが,権威あるチャイコフスキーコンクールの審査員としての目はなかなかユーモアがあります。

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著者プロフィール

2001 年 神戸女学院大学人間科学部卒業
2006 年 名古屋大学大学院環境学研究科博士後期課程単位取得後退学
現職 愛知淑徳大学人間情報学部 助教
専門分野は,認知心理学,思考心理学

「2019年 『心理学実験演習 図表作成マニュアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村紘子の作品

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