長き雨の烙印

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 121
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120038921

感想・レビュー・書評

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  • いや、いいよ。
    さすがだよ、堂場さん。

    二人の犯人は途中から見えてきたさ。
    ただ、脇坂がコロシを犯してまで庄司を追い込むのは、本当にメンツだけなのか?
    だとしたら、私には「警察のメンツ」というものが理解不能だ。

    桑原を病死させるのも短絡的。

    直美に子供が宿ったのがせめてもの救い。

    そして、庄司。
    頼むから生きてくれ。

  • 汐灘シリーズ 第1弾。

    20年前の幼女強姦殺人事件の犯人として逮捕され、服役した庄司智明は、出所後8年の時を経て、冤罪を支援者の会と共に主張する。

    しかし庄司はその証拠となる物や証言をせず、この冤罪事件を期に名を馳せようとする若手弁護士・有田は証拠集めに奔走する。

    冤罪を主張しはじめたと同時に、20年前と同じような事件が起き、当時、庄司を取り調べた刑事・脇坂は強引に庄司を犯人に仕立て上げようと画策する。

    脇坂の後輩で汐灘で刑事をしている伊達は、庄司の同級生で友人でもあり、捜査本部の強引なやり方と、庄司の冤罪を信じ、真相を究明していく。

    また20年前に殺された幼女の父・桑原は復讐心に燃え、庄司を追っていた。

    庄司と警察と被害者遺族が、それぞれの思惑を持ったまま、悲しい結末へと落ちていく。


    それぞれのキャラがハードボイルドなのか、冷血無比な人間なのか、改心がある人間なのか、いまいち分からず少し中途半端な気がして、感情移入できませんでした。

    堂場さんの作品はシリーズ物をよく読んでいるので、次作を期待して読んでみようかと思います。

  • 2014.12.27読了
    意外な結末にラストまで面白かった。(図書館)

  • まともそうな伊達さんがいてくれてよかった。
    スリリングよりも、人間の思惑がぐちゃぐちゃしていた。

  • 途中まで真犯人や真相が全く予想できず…
    最後の方になってようやく、20年前の事件の真犯人に見当がつくも、現在の事件の方は予想だにしてなかった結末だった!!

  • 20年前に発生した女児殺害事件の犯人として逮捕され、服役を終えた男・庄司が冤罪だとして再審を求める活動を始めたとたんに起こった20年前と似た手口の女児殺害未遂事件。
    容疑者として逮捕された庄司だが、証拠不充分で釈放されるが、庄司の友人で刑事の伊達は真相を突き止めようと動き始める。その伊達の動きと平行して、20年前と今回も庄司を逮捕した刑事脇坂や、20年前の事件の犠牲者の父・桑原、庄司の弁護をする事でステップアップを狙う弁護士・有田の思惑が絡み合いつつも徐々に謎が解き明かされていく。
    ラストで明らかになる真相は意外でまた結末は切ないものだったが、淡々と真相が明らかになっていき読みやすかった。

  • サーガの第三弾を先に読んでから読んだんだけど、まぁ面白かったかなぁ。

  • 面白かったです。
    楽しめました。

    一気に読めて面白かったんだけど、ふと考えると
    物足りないというか、腑に落ちないというか・・・そんなところがチラホラ。
    もっとしっかり掘り下げて書いて欲しかったかな?

  • 20年前に起こった幼女殺害事件と同様の手口で、また幼女の殺人未遂事件が起こる。
    20年前に娘を殺された父親と20年前自らの手で犯人を捕まえたベテラン刑事。
    容疑者の友人でもあり、今回の事件の真犯人は他にいると信じる若手刑事と20年前の逮捕劇が脅された挙句の逮捕で、今回の逮捕も違法であると訴える弁護士。
    この2対2の対立の形で、物語は進んでいく。
    「鳴沢了」シリーズほどのスピード感もなく、中盤、ちょっと中だるみも感じられるものの、ちょっと切ない幕切れ。
    ハードボイルドタッチの警察物を好む人には、ちょっと物足りないかもしれないけど、堂場瞬一の作品としては珍しく、静かに淡々と物語が進んで行き、少し新鮮さも感じました。

  • 2008.04.04 読 (借)

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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