死刑

  • 中央公論新社
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本棚登録 : 118
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120040634

作品紹介・あらすじ

究極の刑罰の真実。死刑に真正面から取り組んだ渾身のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • ルポとしては読みやすく、って読売新聞ですからそりゃあって感じです。遺族に報復感情というのがあるのは事実であり、ならば考慮すべきことには違いないですが、死刑の是非の答えはそこにはない気がするんですね。海外のこうした本だと、被害者のパーソナリティにはあまり触れていない。むしろネガティブな面も大っぴらに書く。あのロバートKレスラーは死刑反対の理由について「遺族の復讐心を満足させるだけだから」とあっさり書いており、国別書物から分かる温度差ってのもあるもんです。そのことは最後の方にも宗教学者のコメントでありますね。

  • 社会
    思索

  • 死刑そのものや、死刑に関わる仕事につく人たち、加害者と被害者についてざっくりと説明を加えて書かれたもの。
    色んな点に触れているため、死刑についての結論のようなものはありません。
    死刑は無くすべきか?生きて償い続けるべきか?死んで詫びるべきか?と言われると、読んだ私の考えは変わりませんでした。
    教誨師や刑に関わる人達のやっていることは、絶対に良いことではありますが、やはり、一方的に大切な人を奪われて悲しみや怒りを抱く人達の感情の方に強い共感を覚えてしまいます。
    加害者が生きて償える機会を与えるのなら、被害者に対してそれ以上に悲しみを癒し、救いの道を与える制度とケアはあるべきです。
    なので、本書で海外の一部の被害者の制度について豆知識程度に知れたのは良かったです。
    死刑判決が出ても、再審など色々な事情でほとんど終身刑みたいな状態になるのも含めて、社会全体が目を向けるべき問題なのは分かりました。

  • 誰かの命を奪うという事は結局誰も救われない。
    それはきっと死刑執行をもってしても。
    だからといって否定とも肯定ともはっきりできない。

    判決について、死刑執行について、贖罪について、取材を通して書かれた1冊。できる限り被害者、加害者、偏ることのない視点で記そうとしていることを感じさせる。

    2009.10 読売新聞社会部

  • H25.4.10

  • 読んでてすごく辛かった…死刑事件一つでも辛いのに過去の死刑事件について立て続けに記述されてる。よく取材して書き上げたなぁ、死刑に関する色々をこれだけ集めたと思う一方、死刑制度を存続すべきか廃止すべきかの議論といずれにせよどう運営してくかの議論がややないまぜな印象…。前提として死刑に持たせる意味や刑罰の位置付けが異なって議論されていて折合いがつかないんじゃないか…制度の存否は最後はどちらかに決めうちしなきゃならないのかもしれないけど、議論を整理して考えてみたい。

  • 犯罪抑止力としての死刑…抑止を目的としてではなく、その加害者の犯した罪そのもののみを裁けているのであれば、あって然るべきだと思う。極刑としての死刑と、次に重い罰としての無期懲役との隔たりは無限だが、そこに終身刑を導入するというのはどうなんだろう?もし自分が被害者や遺族の立場なら、やはり無期懲役では軽過ぎると感じるだろうけど、死刑や終身刑で更生の可能性や機会を永久に完全に奪われた状態で、加害者が真に反省、後悔し、贖罪の気持ちや行動を保ち続けられるかというと、それも難しいだろうとも思う。いくら考えても、正解なんてない。迷いなく言えるのは、とにかく犯罪の起こらない社会になって欲しいということだけ。そのために法律や行政、司法が何をすればいいのか。考え続けていくしかないんだろうなぁ。

  • 「殺しの権力」について考えさせられる
    命で命を償う
    果たして正しいのだろうか?
    私にはわからない
    でも「殺し」だけは絶対にいけない
    死刑、国による殺害
    私が被害者になれば賛成するのだろうか
    いまは死刑廃止を願うが、心は変わる
    もっとも、事件がおこる社会の不幸せがいけない

  • 死刑について基礎知識から具体的事例にそった、被害者遺族、加害者、刑務官、弁護士、裁判官それぞれの視点からの死刑が書かれていて、とても勉強になった。
    外国の状況についても少し記述があるのもよかった。

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