セレンディピティと近代医学―独創、偶然、発見の100年

  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120041037

作品紹介・あらすじ

「常識はずれ」が命を救う-ペニシリン、心臓カテーテル、ピロリ菌、抗うつ剤、子宮がん検診法、幹細胞、バイアグラ…みんな予期せぬ発見だった!探していなかったものに出くわしたとき、科学者たちが発揮したのは、並はずれた直感力と画期的な創造性。失敗を飛躍に、偶然を進歩に結びつけるには?数多のエピソードとともに、真に独創的な研究開発のあり方を問う、ドラマチックな医学の発見史。

感想・レビュー・書評

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  • 鈴木章教授が2010年、ノーベル化学賞を受賞された際のインタビューで「セレンディピティを大切に」というような発言をされたことで、「セレンディピティ」という言葉がちょっと広まった感があります。

    世紀の大発見や大発明は、たゆまぬ日々の努力と研鑽からしか産まれないということをこの本を読むと感じさせられます。
    そしてそれはそのような日々の中で起きる偶然や失敗によって発見されるということに、「神様の賜物」的な感慨を覚えます。

    知らなくても困らないけれど、ここに書かれたことを知ると、世界が広がった感じがすると同時に、その科学の世界で戦ってきた先人たちに感謝したくなります。知識を得る楽しさを感じられる一冊です。

  • 『観察において、チャンスはよく準備された心にのみ微笑む』

  • セレンディピティとは偶然を意味する言葉である。ペルシアのおとぎ話『セレンディップの3人の王子』に登場する主人公の王子たちが旅の途中で偶然、思わぬ出来事に遭遇したことから生まれた言葉だと言われている。本書では、医療分野においてセレンディピティによる革命的な発見、発明についての事例が紹介されている。医療に限らず、世界を変えた発明品のほとんどはセレンディピティによるものではないかという気がしてならない。

  • これなかなかすごい話。医学におけるブレイクスルーは、多くのものが「セレンディピティー」によっておこる。ペニシリンの発見経緯もなかなか予想だにしない。バリーマーシャルのピロリ菌の話はあらまし知っていたけど、これも時系列にすると思った以上。フォルスマンが自分に世界で最初に心カテやった話もものすごいね。

    末端の癌治療医の1人としては、大規模絨毯爆撃のがん対策巨額プロジェクトからは、実はあまり多くのものが生み出されず、多くがこういった小さなセレンディピティーからおこる、という話になるほどと思う。

  • ピロリ菌、心臓カテーテル、抗うつ剤、バイアグラ…。みんな予期せぬ発見だった。失敗を飛躍に、偶然を進歩に結びつけるには。数々の逸話と共に、真に独創的な研究開発のあり方を問う、ドラマチックな医学の発見史。

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