- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120043215
作品紹介・あらすじ
思い出す機能は、いつもわたしたちの中にある-『ヘヴン』『すべて真夜中の恋人たち』の川上未映子が大震災をまたぐ約一年間を綴ったエッセイ集。
感想・レビュー・書評
-
同世代というただそれだけで著者にシンパシーを感じてしまう。人によって好き嫌いがわかれそうだけど、言葉の操り方や節回しが嗜好に合っているというか、視点や思考も割と近いのかもしれない
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
散文詩のような、どこか地に足付いてないような川上ワールドの虜になってしまいました。彼女の言葉の操り方は独特だけど、初めて目にするような単語の組み合わせ方がすごく新鮮で、この連載のタイトル「発光地帯」そのままに文字のひとつひとつが熱をもってきらきら光っているように感じました。色が見えるようなんだよね、彼女の表現って。
ふっと笑っちゃうような川上さんの日常のエピソードもいちいちおかしくってかわいらしくって、なごむなぁ。彼女のエッセイってどう着地するかが読めないので、そんなところも好きである。
そして、装丁もとっても素敵!!プロペラと羽、そして裏表紙と見返しのコンパスのイラストに惹かれました。このエッセイにすごく合ってるなと。まさに「魔法飛行」です。 -
子どもや動物が好きで身近なお姉さん的な雰囲気もあるけど
やっぱり川上さんは普段から川上未映子なんだなー。
栽培している椎茸の木にスタンガンを向けて、「ラムちゃん」と呟いている
川上さんを想像すると萌える。
詩的すぎて理解できない所もあるけど、独特の言葉選びが素敵で
ぼんやり淡い光を放っているようなエッセイ。
ページの見開きに書いてある「魔法飛行」の文字と
しおりの青いひもがかわいい。 -
言葉選びが好み、つらつら読む本
とけるような甘い限界、
メイプルシロップが湯に溶ける2秒のための、
眠りぎわと起きぎわだったら眠りぎわが気持ちいいこととか。 -
特によかった
・ぼくのお母さん
・花火のあとで
・観察をつづける
・ほんとうのことを伝えよう
・あのとき、薄紙が抱いたもの
・歯科医院にて
その他いいなと思った箇所はフレーズのほうにまとめた
-
バージニアオリーブオイルというスタンド
-
発光地帯に続くエッセイ集。次作に「安心毛布」あり。とても読みにくいが、リズムに慣れてしまうと言葉の使い方がうまい作家だと感じる。
-
週に一回ネットで公開されていた食べ物のエッセイをまとめた一冊
食べ物のエッセイだから、食べ物のエッセイだからと軌道修正するも結構脱線しがちで、普通のエッセイに近い感じ。
はじめての人だからかもしれないけれど、ふわふわした夢のような文章を書く人で中々進まなくて、読むのやめちゃおっかなって思いながらの読み出し。
詩が途中に入ったり、遊園地みたいな文章だった。
好き嫌いがすごくわかれるんじゃないかな。
私は慣れてくると少しずつ読むのが苦で無くなり、読み終わることには楽しく読むことができた。
今まであんまりなかった読書体験で不思議な感じ。ふわふわ、ふわふわ。
考え方が独特で、どこがそうなのかというと、ブリ大根を作る場面があるんだけど、すごくおいしくできるのね。
でも、それはレシピをなぞっただけだから味気なくって、機械のようで、創作ではないからってちょっとへこみながらそのすごくおいしいブリ大根を食べるの。
おいしくできたらいいじゃない。作ったのはあなたなんだからと思うんだけど、彼女の中ではなんとなんとなく違うんだなぁと、すごく興味深かった。
絶対にもうほかの本は読まないとか思ってたのに、またこんな体験をしたくなって、ほかのエッセイにも挑戦したくなった。
詩とか、小説は苦手だからまたの機会に。 そんな本でした。ちょっとおすすめ。