下戸は勘定に入れません

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 292
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120046148

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジー風味のミステリーか、ミステリー風味のファンタジーか。

  • SF要素の入ったミステリ。
    日常の謎て感じでもないけど、普通のミステリとはちょっと違って雰囲気。

  • お酒を飲み、条件が整えば、同席者とともに過去にタイムスリップしてしまう古徳教授。こういうファンタジー設定は西澤さんらしい。連作短編でラストには大団円。ギスギスしたことになりそうな出来事が起きているのに、そうならないのも西澤さんならではなのかもしれない。

  • 題名と表紙絵からの想像と比べて中身が意外と暗い(主人公が自殺願望のある50歳准教授だし。)ので最初は少し戸惑いました。でも初期作品を思わせる西澤さんらしいミステリとSF的要素が混在している作品で、いつもの通りこのSF的事柄が起こるルールがきちんとしていて、普通にミステリとして軽く楽しんで読むことができました。連作短編のような顔をしていますが全体でほんの数日間の綺麗に繋がったお話です。伏線もしっかりしてますし後味も悪くないです。「もしくは尾行してきた転落者の謎」がちょっと他の章と違って切なくて印象的でした。

  • 超能力・酒酔い・過去の謎の解き明かし・憂鬱,という西澤作品の主要成分が勢揃い。特定の条件下で酒に酔うと過去にタイムスリップするという特異体質を持つ主人公,バツイチ,生きる望みを無くした50歳の大学教員。かつての恋人を奪った憎むべき旧友と28年ぶりに再会し酒を飲むことになり・・・。事実は複雑に絡み合っていた。推論するモノローグを読んでいるとまるで酩酊しているようで,真相に辿りつく頃にはクラクラだ。傑作。

  • ある特定の条件のもとで「道連れ」アリのタイムトリップができる男性。その条件の中には、「酒を飲む」というシチュエーションが不可欠なため、ある程度の仲の人物だったり……短い期間の間に、過去の因縁が解かれたりするお話。どろどろとした真相でも、どこかあっけらかんとしてしまうのが西澤さんの面白いところです。もっとこーゆーの読みたいなあ。

  • *酔えば酔うほど時間が戻る? お酒を飲むと、同席者とともにタイムスリップしてしまう古徳教授。その特異体質と推理力を発揮して、町の事件を解決する*

    練りに練った内容、さすがです。ミステリーとファンタジーを合体させたような雰囲気も独特。ただ、個人的にはそのゆるり感がしっくりこなかった…。

  • 西澤作品のイメージというと、酒や料理の描写。笑っちゃうような登場人物たちのやりとり。机上の空論的な安楽椅子探偵の推理。ぞっとするような、人間のエゴがある。それがぜんぶ詰まっていて、楽しめた。しばらく西澤作品から離れていたような気がするけど、最近の作品を読んでみると、人間のエゴのおぞましさ的な部分がずいぶん薄まっているな、と感じた。なくなったわけではない。本書でも、出てこない主人公の母や、友人の祖父など、影を落としている。でも、生理的に不快になるほど、それが前面に出てこなかったかなと思ったのだ。この前読んだ『悪魔を憐れむ』もそうだった。作品に渋みというか、深みを与えるアクセント程度に収まっていて、読みやすくなった、とでもいおうか。
    あと最後に思い出したのは、男の妄想かとも思えるような、恋愛描写、いやあれは惚れられる描写とでもいうんだろうか(笑)。そのあたりまで、本書では楽しませてくれた。読んでいて、楽しい本だった。

  • 出てきたウィスキーを飲んでみたいと思いましたw 悲しい出来事などもあるが、最後のハッピー感が良かった。

  • この一杯が、タイムマシーン!お酒を飲むと、
    同席者とともにタイムスリップしてしまう
    古徳教授。その特異体質と推理力を発揮して、
    町の事件を解決する。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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