閉じこめられた僕 - 難病ALSが教えてくれた生きる勇気

著者 :
  • 中央公論新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049538

作品紹介・あらすじ

大好きなうどんも食べられない。ディズニーランドも行けない。呼吸もできない。それでも僕は、前向きだ!家族と音楽を愛する男(53歳)が、ある日突然ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症。「永遠の金縛り」のなか、"眼"だけで綴った衝撃の「難病ノンフィクション」!

感想・レビュー・書評

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  • 全身の運動神経細胞が侵されることで、最終的には完全に動けなくなってしまう病気「ALS」。徐々に痩せ細っていく隨意筋のうち最後まで機能する瞼と眼球の動きだけで意思表示をする。まったく動かない身体に明瞭な意識が閉じこめられてしまう状態の恐怖、残酷さ。

    ALS患者の70%が悩んだ末に気管切開を選択せず、自死の道を選んでいるといわれるなか、ALS患者として生きていく覚悟を決めた筆者が「たとえ時間がかかったとしても。間に合わなかったとしても…。」と視線入力装置で描いた未来予想図。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB50099775

    闘病記レポート課題において人気が高い。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00579652

    50歳のある日、難病中の難病である筋委縮性側索硬化症(ALS)と確定診断が出た。余命宣告されながら、視線入力装置を使って、絶望と希望を叫ぶ。家族を愛し、ディズニーランドと音楽を愛する男が綴った、いまだかつてない難病&闘病日記。生きる勇気をもらえる渾身の一冊。(出版社HPより)

  • 2020年10月9日読了。

  • 最初にアイスバケツチャレンジはテレビを見て感動したが、
    やはり一時のパフォーマンスだなと冷めた感じで、思ってました。

    しかし凄いのは、著者は決して批判しない行動することに意義があると言われてるのが印象にあります。
    自分も寄付を去年様々な団体にしましたが、優しい言葉で励まして頂けた気分になります。
    途中自ら寄付をSNSを通じてする場面には、涙が出ます。
    最高の瞬間は回復することなのに読みながらその現実を私は最後まで、自分ならもっと早くに諦めてるのでは、と著書の優しさ強さが、文章から伝わり日々の何気ないことができるありがたさを教えて頂きました。
    私も今年50歳を迎えて少なからず身体も弱ってきて、死を迎えるのだとその事は考えた時勇気出して生きようと思いました。
    ありがとうございました。

  • ALSの家族を持つ方を知っていて、少しでも理解したいと読んでみた。
    想像はしていたけど、改めて恐ろしい病気だと思う。
    具体的にどういう不都合があるかがよくわかった。
    藤元さんはどちらかというと、現実的な考えを持っていた方のようである。
    他人との交流や書くことで、自己発信出来ることは救いだったのかもしれない。
    それでも怖いという気持ちは根絶されてはいなかったように思えた。
    宗教やスピリチュアルは必要なかったのだろうか?

  • 916
    闘病記の棚にあり
    2018年度ビブリオバトル大会予選1回戦チャンプ本

  • 【どう生きるかを決めることで人生は豊かになる】

    藤元 健二さんの初著書

    僕自身も心がけ、とても大切なことだと思っているが、『自分がどう生きるか?』を決めることで人生は豊かになるということを改めて教えてくれた。
    つまり、どんな状況であれ、自分がしあわせに生きると決めれば、しあわせな人生になるということ。

    しかし、言葉に書くのは簡単だけど、容易ではない。ましてや、健二さんがALS発症から5年弱の人生でそれを決め、そう意識して生きるということは想像を絶する。それはご本人だけではなく、ご家族のご苦労も計り知れない。でも、苦しみ挫折しそうになりながらも何とか乗り越えられてきたのは愛の力だと感じる。

    僕が健二さんにお会いしたのはわずか一回だけ、しかも交わした言葉は二言三言だけだ。でも、そのわずかな時間の中で健二さんは愛の塊みたいな人だと感じた。

    その愛が著書の中にも表れ、シリアスな状況なのに時には笑いさえ漏れてしまうページがある。

    前置きが長くなってしまったが、一人でも多くの人に読んでもらい、何かの きっかけ にしていただきたい。

    きっと、天国の健二さんも喜んでくれる。
    そう願い、祈らせていただく。

  • 著者の藤元健二さんは、お会いしたことはないのだが、Facebookを通じて互いに知るようになり、何よりも同窓同期という間柄もあり、特別な思いででFacebookへの投稿をフォローしていた。
    同世代ということもあるし、ビートルズが好きなところなどお互いの共通点もあり、物理的には離れているのだが、とても身近な存在だった。
    ただ、残念なことに、藤元さんは、この本が出版されると同時に他界。出版記念パーティを前にして。そして彼の遺稿としてこの本を手に取る。

    ALSについてはアイスバケツチャレンジでだいぶ浸透し、私自身もその病について基本的な知識はあると思っていたのだが、病にかかっている本人の赤裸々の想いを読むにつれ、この無慈悲な病の恐ろしさを改めて認識。
    アイスバケツチャレンジは、この病の存在・認知から、を目的にしていると思うのだが、その意味でも、ALSについて多くの人に知ってもらうためにも、この本を多くの人に読んでもらいたい。

    この本を読んでいると、医療機関の対応、看護の問題等、ALS患者に対するインフラ面の改善が現在進行中のことに気付かさせる。
    その改善に向けてのメッセージ、情宣の意味でも大切な本だと思うし、彼の意志を無駄にしてはならない。

    本著は、単に病床の状況を知らせる、ということではなく、ユーモアも含めて、読者を惹きつけるものがある。彼の表現の豊かさ、文才にも感嘆し、その意味でも惜しい才能を失ってしまった。

    紛争、難民、自殺、いじめ等々、「生きる」ことや「命」が疎かに扱われるニュースに多く接することがある昨今、必死に「生きよう」としている彼の叫びや思いを感じることは、見失っている大切な何かを気付させてくれる。
    彼の発するメッセージは、純なものを更に絞り込むような純粋さがあり、人生を送る上での価値観、指針のようなものを与えてくれるのだろう。

    最後に、ALSへの治療法が明らかになることを祈ってやまない。そして自分にできることは些細なことであっても疎かにしない。

    以下引用~
    ・身体の動きをすべて奪われ、一見人間らしい営みはすべてできなくなる。ところが内面的にはより一層人間らしくなっていく。精神的な営みは、より活発になっていく。
    ・人間が人間になるには、あいだ、間が必要で、それは愛だ、と思うのです。人と人の間をつなぐもの、それがコミュニケーションであり、コミュニケーションは愛だと私は思います。
    ・人を少しずつ理解して
    だんだん好きになっていくことをやめた
    探りを入れない 疑わない
    そんな時間はもったいない
    いきなり大好き
    I love you more

  • 私と同い年、そして面識はないけど同じ大学に通っていた人の運命を考えると、涙が出る思いだが、一方で勇気付けられる。私は今の所健康だが、時々自分の生きる意味を考えたりすることもある。そんな時、どんな状況にあっても、自分の生きる意味を見出し、周囲に対して働きかけをしていこうとする藤元さんの姿勢は言葉を失う。私も50代も中盤に差し掛かり、長生きするのか、あっという間に一生を終えるのか分からないが、これからは後悔をしたくないと本気で考えるようになった。

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