潮風エスケープ

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 188
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120049934

作品紹介・あらすじ

高校生の深冬は、思いを寄せる優弥とともに、彼の故郷・潮見島を訪れる。島の伝統「潮祭」が開かれる夏のことだった。深冬が出会ったのは、祭の神女となるために自分の未来を捨てた少女・柑奈。彼女の生き方に、深冬は疑問と嫌悪感を抱く。なぜ柑奈は伝統に縛られることを望むのか?そしてある人物の来訪で明かされた、十二年前の悲しい真実とは?消えゆく伝統と先の見えない将来。まっすぐな恋とゆがんだ友情。それぞれの思いが交錯するとき、十二年に一度の祭が幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • 額賀澪さんの過去作を見返していて、感想を書き忘れていたことに気づいたシリーズ。

    少しずつ主人公の設定年齢が上がるにつれて、文体も軽くなってきたような…主人公も、ごく普通の感覚の女子高生、という作品。
    でも、星は3つ付けていたからには、十分に面白かったはず。

    前後して読んだ遠田潤子さんの『冬雷』と出だしの設定が似ているように感じて、ん?と思った記憶が。
    けれどやはりパンチの重さが違うぶん、違う地点に着地して、それはそれでホッとしたような。

  • 伝統と犠牲。
    昔ながらの事柄だからこそ今では考えられない守りごとなどあるだろうが、当時と変わらず行うのは意味があるからなのだろう。
    答えが分かっていたとはいえ、勇気を出した告白を断られるのは断腸の想いだっただろうな。

  • 田舎の伝統を守ることについて考えさせられた。
    その中で描かれる恋模様は青春。
    風景の描写もとても綺麗。

  • 「きっと後で仲良くなるんだろうな?」と分かっていても、あの「女性の戦い」というか「女の子達の戦い」は女の作家さんじゃないと書けない話だと思った。
    エゲつなすぎる・・・

  • これはとても難しいテーマだ。ややバランスを保てず、深冬のキャラクターに任せて突っ走った感が否めない。やや消化不良で読了。




  • 額賀澪さんらしい、綺麗で透き通ったストーリーとフレーズたち。

    ちょっとだけ、自分のことでいっぱいいっぱいな、登場人物が多く、自分勝手に感じてしまうこともあった。

    中盤までハラハラだったが、終盤は雰囲気良く着地したため良かった。

  • 中盤までは、なんだか不機嫌。
    最後はいい感じに着地(^^)

    面白いことは、面白い人の近くでしか起こらない。

  • 密かに佳作を送り出している信頼度の高い額賀さん。本作は僕とのピントが合わず最後まで乗り切れませんでした。
    歴史ある離島の守るべき歴史と、これから無限の可能性が有る若者の未来。どちらが大事かなんて答えは個人個人の胸の中にしかないものではありますが、本作は後者にシーソーが完全に傾いています。正直歴史的なものに対しての敬意は薄い僕なのでそもそも個人の権利を重視する性格ではありますが、もうちょっと葛藤の部分を書かないと薄っぺらくなってしまうような気がするんですよね。因習に縛られてもがきながらも抜け出せないどんより感とかが欲しかったです。
    やはりこの辺は作者の若さが出ているような気がします。

  • 離島や農家の因習に対する若い少年少女達の葛藤と決断を書いた良作。
    歌は音程がずれ、踊りもぎこちない柑菜のポンコツっぷりがかわいいですねぇ!
    なお文庫版では「夏なんてもういらない」に改題。

  • 伝統を守るのは大切だが、そのためにどれだけ自分を犠牲にできるか考えさせられる。

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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