異常探偵 宇宙船 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 135
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120050503

感想・レビュー・書評

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  • 2019/1/7(月曜日)

  • あまり僕のタイプなお話ではなかったですねぇ…前田氏はもっとこう、日常的なお話の方が得意なんじゃないかな? と思いましたかね…これは設定も話の流れもなんとなくライトノベルみたいですし…しかも、異常な設定なのだけれども、前田氏の小説特有の、「淡々としている」感じが出ているんですねぇ…。

    物語で読者を惹きつけたかったら、もっとこう…魅せ方を考えてほしかったですね! どうも最後までスローペースと言いますか、盛り上がりに欠けたように思いましたかね…。

    宇宙船とか、宇宙といった設定もいかにも思い付きというかね…心の声が無数に聞こえる、みたいな人物の設定もなんだか釈然としないものを感じました。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 探偵ものってことで読んでみた初読み作家さん。粗筋はおかしなキャラばかりで面白いのだけど、途中からついていけなくなった。

  • 「犯人が事件現場に戻ることはすでに、沢山のテレビや映画が証明済みです。早速現場に行ってみましょう」

    『これで悔いなくこの世から去ることか出来る。両親には悪いけど、最後の甘えだと思って許してもらおう。後から来て先に帰るだけのことだ。』

    「良いですかお嬢さん、落ち着いて聞いてください。これから言う話を聞いたら、きっと全然落ち着かない気持ちになりますからね」

    「空気ゴキブリは使い古した下着を盗んで新しい下着とすり替える趣味があるんだわ」
    「なるほど理にかなっている。そうすれば合法的に使用済みの下着を手に入れられますね」
    「合法ではないけれど、もし盗まれた女性が警察に相談したとしても、下着は無くなっていないわけだからきっと捜査されることも無いでしょうよ」
    「全くなんて驚きのアイディアだ」

    「御明察。この僕は幸いなことに、誰かに時間を縛られるような小さな男じゃない」
    「どういう意味ですか?」
    「だから、誰からも縛られずに居るのですよ」
    「無職ということですか?」
    「無職? バカな。無職の少年探偵なんて居ないでしょ? 少年探偵なんだから、仕事は少年探偵ですよ。だから無職じゃないでしょ?」

    「子供が生まれたわ、一九九七年六月十日の早朝、わたしは何がなんだか判らなかった、けど、世界が変わったように思えた。嬉しかった、何か、物凄い力が湧いてくるような、判る?」

    「紀子が生れてから、とにかく忙しくて、自分がどこかへ居なくなるほどだったけど、あれほどの幸せを感じたことはなかった。今まで幸せって言葉の本当の意味を知らなかったんだって思った」

    『Aの心は、Aにそれを隠してはいたが、きっと嬉しかったのだ。その喜びが、これまでのAを、そしてこの先のAを否定しているようで、寂しさに似た不快感を覚えたのだ。』

    『米平は、お嬢さんのことが好きになり始めていた。いや、好きだった。だいたい綺麗な女の人を好きになってしまう癖が米平にはあったが、今回は特に好きだった。』

    「お願いだから私を手伝ってちょうだい、なんの罪もない者が死んで、罪を背負ったものが生きている、こんな世の中に耐えられないの、世界を変えないと、世界を良い方向に変えないといけないの」

    「この世は不良品なのよ。不良品のない世界なんて、地獄だわ」

  • ある小児性愛者の死の謎を、鬱に苦しむ主婦探偵・宇宙船が追う! 人の弱さと変態性を優しく包みこむ、奇才・前田司郎の新境地。

  • 普通の人の皮を被り社会に紛れ、夜な夜なひっそりと顔を出す変な人。
    息を殺して生きるそんな人々と
    そんな人々専門の異常探偵もまた心を病んだ変な人。
    普通じゃないとは、変とは、かくもありふれたシーナリー。
    『同じ』と『違う』だけがある。違いとは間違いじゃない。
    その境界はあって良い。悪いことじゃない。特別すばらしくもない。
    何物も正さないラストにホロリ。

  • これは一体どこに着地するのだろうと、ハラハラドキドキしながら読みました。
    荒唐無稽でしっちゃかめっちゃかになりそうでならないそうはならない感じ。
    あと表紙の絵が好き。読みながらこれはこの人だなと見るのが楽しい。

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著者プロフィール

1977年生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。和光大学人文学部文学科在学中に劇団「五反田団」を旗揚げ。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。同作が野間文芸新人賞候補となる。2006年、『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社)が野間文芸新人賞、三島由紀夫賞候補、2007年、『グレート生活アドベンチャー』(新潮社)が芥川賞候補に。2008年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。同年、『誰かが手を、握っているような気がしてならない』(講談社)で三島由紀夫賞候補。『夏の水の半魚人』(扶桑社)で第22回三島賞。その他の著書に、『逆に14歳』(新潮社)などがある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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