- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120051562
作品紹介・あらすじ
父を看取り、認知症の母を介護し、対談・執筆と多忙を極める著者。自ら「床族」と称し、何でも床に積んでしまう片付け下手で、捨てられない性格と自己分析。また、連続ドラマ「陸王」に出演、女優としても活躍、さらに還暦過ぎての結婚まで……。
じわじわ訪れる小さな老いを蹴散らして、挑戦し続ける激動の日々を、赤裸々に綴る。不肖アガワの『婦人公論』人気連載エッセイがついに書籍化。
感想・レビュー・書評
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最近のある日のこと、妻が「私はちいさいからカワイイだろう(^^♪」と言ってきた。
何を急に言い出すのかと思ったが、この本を先に読んでいたからと後で分かった。
阿川さんが図書館で働いていた時、大きな小学生に「君大きいね」と言ったらその子が、「女はちいさいほうが可愛い」と返してきたらしい。
150cmに満たない阿川さん、自分がコンプレックスだと思っていることを、さりげなく褒められたら、どんな女もイチコロだ。と綴っている。
阿川さんよりも小さい妻はここでグッと心を掴まれたようだ。
「ぶっ散らかしており」に関する話では人の種族として、床族、掛け族、積み重ね族がいると分類している。
何でも床に置いてしまう床族(阿川さん:背が低いから見やすいと言い訳している)
イスの背もたれに着ていた衣類を何枚も重ねてしまう掛け族(友達のダンフミ)
区別して別々に置いていたのに一か所にまとめて整理してくれる積み重ね族(阿川さんの母)
我が家の様子を眺めてみれば、ソファーは座れない程に物が置いてあり、背もたれには衣類やタオルが掛けてある。
窓台には雑誌類や使っていないお菓子の空き箱が積み重ねてある。
賞味期限・消費期限切れの食品をまだ大丈夫と捨てられない所も阿川さんと同じだ。
我が家の「いい女」もこの本を読んで共感し、随分と気持ちを楽にしたにちがいない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
婦人公論に連載されたエッセイ(2016~2018)から選んだ42編。
タイトルがこれなので、この問題について書いてみます。
阿川さんは部屋にあふれた書類のたぐいを床にならべる癖があるそう(床族)。
彼女は「背が低いせいではないか」と言っていますが、
それは書類の類だからではないでしょうか。
いっぽう「掛け族」は衣類をぬぐや椅子にかけていく人たち。
私は衣類については「掛け族」。
だって少し干した方がいいと思うから。
それと出かける前にバッグにいれるべきものを全部床にならべます。
旅行など期間が長くなるときは前日以前から!
そうすると忘れ物がないか確認しやすいので。
そこは「床族」。
いばって言うことではないですが、
この本が『いい女、ふだんブッ散らかしており』なので。 -
阿川 佐和子さんの最新エッセイ。
42編収録。
歯切れの良い言葉と軽快なテンポで、ともすれば暗くなりがちな話題も鬱々とせず読みやすい。
「さようならのあとに」
94歳でご逝去された阿川さんのお父様、悲しみに浸る間なんか全くなく諸々の手続きに追われる様子がコメディーの様で笑いがこぼれ、また参考になる面もある。
「神様と友達」
阿川さんの性格と似ている所を感じ共感、そして私も「なんかこの人と今、出会ったぞ」と思える瞬間が稀にあり深く頷く。
ああ、でも整理整頓と収納が趣味でブッ散らかす事が出来ない私はいい女じゃないな、残念! -
結婚せずに4〜50代に突入すると変わらない日常が2〜30年繰り返されることになるというのは、頷けた。
相手を何と呼ぶか、お父さんと呼ぶらしいが、それはそれで紛らわしいな。 -
こんな気取らずユーモアのある大人になりたい(もう十分に大人といわれる年齢だが)ものです。
いい女には全く手が届きませんが、人生の先輩に倣いブッ散らかして歩いて行きますよ。 -
途中、檀ふみさんのことや結婚後のこともチラッと出てきて、最後までとても楽しく読めた。
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結婚してからのエッセイもあって微笑ましいです。
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アガワ ファンにはお馴染みの、軽妙洒脱な随筆。毎回ちゃんとオチがあるのが素晴らしい。
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肩ひじ張らないで、すらっと読めるのが、良い。
作者 阿川佐和子氏の気取らない性格と文章に、共感を呼ぶ。
そして、記憶力の良さにも、、、、人の名前に其の時の会談様子、、、、昔の音楽から、本に至るまで、、、、良く記憶されている。
生前は 怒ってばかりの父と、言いつつも、良いDNAを引き継いでいるのでは、無いだろうか?
父親の葬儀の時のてんやわんやの日々。
著名人だけに、名簿作りも大変だったと、思う。
我父は、生前に、葬式への連絡の名簿を製作していたのだが、、、、余りの達筆(?)な昔ながらの楷書で、綴られて、そして、故人になった人や転居の人などで、結局は、電話を掛け回って、大変だった。
どんなにしても、葬儀は、大変な後始末もあり、アッというまに日にちが、過ぎてしまう。
認知症の母の介護もされて、それを独り言を言いながら家の中を掛け回っても、そんな顔一つ、皆の前で出さずに、毎日対談や執筆などされている著者は、凄いと、思う。
いい女の条件の所で、本題のブッ散らかしおりの事が書かれている。
私も同様である。散らかし方の事であるが・・・・
祖母も母も器用な人であったから、着物は鏡台のカバーになったり、古い子供服は、ピアノ本の袋になった。
阿川佐和子氏も、編み物を教えられる位上手なので、毛糸類も沢山あり、可愛い箱や空き缶など、小物入れに・・・と、つい思ってしまうのだろうと、想像できる。
そして、自分自身が満足している所、理解できる。
物を差し上げるのも、その人の欲しいを思われるを差し上げたいと、、、、、そして、その笑顔に満足出来たら一番いいと、思う。
散らかし魔の「床族」という分類の仕方に笑ってしまった。
魚屋さんの話にしても楽しい。
昔の魚屋さんは、生きの良い魚の見分け方まで教えてくれたりして、捌いてくれていた。
古き昭和の時代の話である。
父親には、見せられなかっただろうけど、還暦過ぎてからの結婚。
お互いの呼び名も、どうするか?と、悩まれる所も阿川さんらしい。
結婚してから、又、世界観が、広くなられることだと想像できる。
楽しい話満載の本を、期待している私である。