- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120051760
作品紹介・あらすじ
妊娠中の妻と2歳の娘を少年たちに陵辱の末惨殺された恭介は、犯人の少年たちを切り刻み、それを撮影したDVDを犯人宅に送りつけた。
しかしそれは復讐ではなかった。妻子の殺され方が美しくないことへの憤りだった。恭介にとって人間の死体は至福の「芸術品」であるべきなのだ。
23年前、キスした姿の少年と少女の生首写真が被害者宅に届けられる事件があった。ご丁寧にもその写真には「ファースト・キス」というタイトルまで付けられていた。
事件は迷宮入りし、警視庁の名倉警部は今でもその屈辱を胸に抱いているが、その犯人こそ当時中学生の恭介であった……。新堂冬樹史上、最低最悪の小説。
感想・レビュー・書評
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「ーいいか?人生っていうのは、怠けただけの未来しか用意してくれないんだ。後悔先に立たずだ」(P.126)
人間は、習慣の生き物であり残酷な生き物でもある。人が車に撥ねられ内臓がアスファルトに撒き散らされる現場を目の当たりにしても、時間が経てばバラエティ番組を観て馬鹿笑いしたり恋愛映画に胸をときめかせたりするようになる。
ボスニアで餓死し骨も皮になった幼児の映像を観ても、時間が経てば肉を食らいラーメンを啜るようになる。
末期癌で苦しんだのちに亡くなった親の最期を看取っても、時間が経てばアダルトビデオを観て自慰行為に耽ったり、恋人とセックスするようになる。
だからといって、その人間が冷酷なわけでも非常識なわけでもない。
胸を痛め、場合によっては心に深い傷ができるだろう。
だが、その胸の痛みも心の傷も、時の流れととも(薄らいでゆき、最後には忘却してしまう。
それが、生きる、ということだ。
人間は生きるために、慣れるという能力を授かった。
人間は生きるために、残酷な一面を誰もが持ち合わせていた。
そもそも、他の動物を殺し、肉や内臓を食らい生命を維持していること自体が、人間の本質を現している。(P.173)
人間は、一つの欲を満たしたら、二つめの欲、三つ目の欲を満たそうとする生き物だ。(P.241)
恭介の人で芸術作品を作ろうとしているところ自体が狂いすぎていて、常軌を逸していて思わず笑ってしまうほど。篠原のサイコパスさや、殺される寸前まで全く恐怖を感じていないところが、こんな人が実際に近くにいたら誰も信じられなくなりそう。毎日、たくさんの人と関わる中で特殊な嗜好を持っている人もいると思うので、恭介のような人が居てもおかしくはないだろう。恭介の中学時代の傑作を覚えていてたまたま口にしただけなのに妻を殺され、巻き込まれた警部が可愛そう。久しぶりに新堂冬樹を読んだが、殺人の仕方の描写が生々しすぎるし、読んでいると「うっ( ´;゚;ё;゚;)」てなる。人殺して描いているのか?レベルでこの人の世界観がほんとに分からなくなった。 -
気持ち悪くて、グロくて、怖くて
なのに読む手が止まらなかったです。
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エロ、グロに耐性無い方は読まない方がいい作品です。あと、救いが一切ありません。
読了後はうわー…と陰鬱になるので、楽しいものを用意しておく事をオススメします。
アニメPSYCHO-PASSを彷彿とさせるような雰囲気で脳内で恭介は槙島役のCV櫻井孝宏さんに変換して一気に読みました( ˊᵕˋ )
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ラストの解釈がほしいです。
ひたすらグロい( ˊᵕˋ ;)エログロ好きだけど、品がないというか、、、、ファーストキスはいいけど
やっぱ大人になると凡庸になるんですかね(笑) -
これはかなりグロい。
読んでいても嫌になる程、でも一気に読め込んでしまった。 -
新堂冬樹史上最悪の作品とあったが、私の読了本の中で史上最悪の作品だった。
面白かったのは最初の10ページ程度。
主人公は妊娠中の妻、二歳の娘と共に35年ローンで購入した建売住宅に住むサラリーマン、恭介。
帰宅後の異常とも思える潔癖ぶりに、この後の展開を想像し期待したが、そこからラスト1ページまでは、まさに目を覆う様な描写と展開で気分は最悪だった。
どこかに救いがあるのかと思い読み続けたが、そこには4人の少年達の悪魔の様な行為と恭介のサイコパスでサイボーグの様な行動だけだった。
これ程までに後味の悪い作品もないだろう。 -
評価低いなと思ったけど、読んですぐひどい場面。主人公が復讐に燃えるならまだ共感できるけど…。鬼畜を上回る鬼畜ぽい。。
あと、芸術性うんぬん言う割には作品タイトルが陳腐。
突然出てきた刑事さんの勘が全て当たるってのも…。
突っ込みどころは他にも多々あるけどさ。
ラスト、よく分からなかった。