- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120051975
作品紹介・あらすじ
気鋭の歴史作家が描き出す、聖武天皇の真実!
'756年、大仏建立など熱心に仏教政策を推進した首(聖武)太上天皇が崩御する。道祖王を皇太子にとの遺詔が残されるも、その言に疑いを持った前左大臣・橘諸兄の命を受け、中臣継麻呂と道鏡は、密かに亡き先帝の真意を探る。しかし、ゆかりの人々が語るのは、母君との尋常ならざる関係や隔たった夫婦のありよう、御仏への傾倒、迷走する政……と、死してなお謎多き先帝のふるまいや孤独に沈む横顔ばかりで――。
伊坂幸太郎、朝井リョウをはじめとする人気8作家による競作企画【螺旋プロジェクト】の1冊としても話題!
感想・レビュー・書評
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序章からして難解であった。
聖武天皇である首(おびと)さまの崩御ではじまる。名前の読みからして難しい。人物関係も天皇家・藤原家略図とにらめっこ。この時代の歴史はごちゃごちゃしていて苦手なんだよなと思いながら読み進めていきました。
首さまが、死の間際に残した遺詔(いしょう)つまりは最後のみことのりを探せと命じられて、看病禅師の道鏡が関係者に話を聞くというスタイルです。関係者が一方的に話す形式ですが。
国を治めてきた天皇の血統が山なら、藤原氏は海ということで、螺旋プロジェクトの話につながつていきます。
半ばぐらいからは、人物関係が頭に入ってきて俄然面白くなってきました。
藤原氏と天皇家の関係性の解釈としても、面白いですし、この本を読んでいたなら、この時代の日本史の学習も楽しくなると思います。長屋王の変もよくわかりました。
天皇の即位順がごちゃごちゃしていたり、何度も遷都を繰り返したりとなんでなんだろうと思っていましたが、この本を読んで、こういう理由だったのかもしれないと理解できました。
澤田さんに感謝!澤田さんの他の本も読んでみたくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聖武天皇の話って言えるのかな~
ちょっと難しかった。
螺旋プロジェクトはあんまり関係ないような… -
初めて生れながらにして天皇を約束され、絶対的な富と権力を有し奈良の大仏を建てた聖武帝ですが、その治世は謎に満ちています。多くの歴史学者が謎に挑んでいます。澤田さんは、外堀からのアプローチで聖武像を際立たせようと試みました。ただ、物語は盛り上がりに欠け、残念ながら謎の核心に迫れたとも思えません。血を問題とされていますが、それは蘇我氏の時も同様です。先ずは、取り憑かれたように都を転々とした理由が知りたいですね。
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螺旋シリーズ最後。
聖武天皇の死後、さまざまな人からの回想という形で聖武天皇を描いた作品。
螺旋シリーズらしさは全くなく、交わらないはずの海と山かね子供が聖武天皇⁉️螺旋シリーズの前提が覆されている。
螺旋シリーズとしてみたら、星1か2。
聖武天皇の人柄のようなものはよく描かれていたが、そこは螺旋シリーズの影響か、苦悩が前面に出過ぎてた。残念。 -
ちょっと興味の対象から外れる。
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この時代は好きなんですが、
何故かなかなか読み進められなかった。
「螺旋プロジェクト」はあんまり… -
期待の割にはいまひとつな螺旋プロジェクトの一冊
月人壮士=聖武天皇
山海対立がわかりづらい 消化できていない感じがする -
図書館で借りた本。天皇は天照大神なのに仏に救いを求める聖武天皇。この月人壮士は聖武天皇の事である。彼は天皇一族の純血ではない出生からくる苦悩に生涯悩まされ、自分を産んだ藤原家出身の母を恨み、これからも天皇一族として続いていく藤原家の血筋をどこかで止めたかった。その反面、藤原家繁栄の為にライバルを抹殺したりもしている。鑑真や道鏡も登場し、ストーリーは聖武天皇について10人からインタビューをする形式で書いてあるので読みやすかった。