そこにある山-結婚と冒険について (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
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本棚登録 : 206
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053498

作品紹介・あらすじ

「なぜ本書が、(……)かような一大傑作論考として結実したのかといえば、それは結婚が全部悪いのである。」(あとがきより)


人はなぜ冒険し、山に登るのか――

「永久にわからないだろう、わかるはずがない、わかってたまるかこの野郎」と思い続けてきた謎を解き明かしたのは、まさかの「結婚」だった!?

〈事態〉と〈思いつき〉を鍵に、極北で犬橇を走らせながら探検家・角幡唯介がつむぎだす人生論の極北を見よ!

感想・レビュー・書評

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  • 私にとってホットな題材、冒険と結婚について。
    まず自身の心のうち、動きをここまで名言化できることがすごい。
    結婚と冒険の動機、その実は同じようなものだという。そーなのか、それもそうかと納得できる。
    GPSを使わなくなった動機なども理解できる。私には足りてないのはそんなとこだなとか。
    名言化できるの羨ましい。

  • 個人的な所から。

    27歳の私、この本を読む丁度1週間前に婚約しました。山好きスノーボード好きでシーズン中は毎週出かけていたため、知人とかからはなんで結婚するの、とか聞かれます。何でだろうなーと個人的にも思っていました。

    この本を読んで、とても納得しました。
    結婚とは理性的判断によるものではなく、それまでの偶然や自分の細かい行動が積み重なった結果。
    自分は結婚するという選択をしたのではなく、これまで起こした波や偶然に押された選ばざるを得ない必然だったのです。

    他にも、物事の本質、とは客観的な事実を指すんじゃなくて、対象に対して自分が深く関わった感質、他の誰とも同一ではない主観的な理解である事など、終始納得でした。
    小難しくひねくれな文体なので人を選びそうですが、僕は好きです。

  • 結婚を皮切りに、テクノロジーや現代における冒険、そして自分の人生にスポットを当て内面的な思索が展開される。
    話が行きつ戻りつするので人と話をしているようで面白いが、反面「何をごちゃごちゃ言っているのか」という気持ちにもなりかねないので余裕があるときに読みたい。

    他者との関わりの中で生まれてくる「事態」に身を任せ、過去からの積み重ねの中から生まれる思いつきを実現することで、自分自身の人生になってきた…ということと理解した。

  • 同世代だからこそ年とともに固有で自由な人生になってきている点に共感。自分の研究分野の変遷も事態かなあと思いながら読んでました。
    冒険のなかでの思考のほうが共感しやすい。著者の本を結構読んでいる人しか、この本は楽しめなさそう。

  • 結婚とは選択ではなく事態である。
    読みながら森信三の言葉を思い出します。
    『人間は一生のうちに逢うべき人には必ず逢える。しかも、一瞬早過ぎず、一瞬遅過ぎない時に』

    色々考えを拗らせている様にも思えるけど、ものすごい量の引用を持ち出しているのは単純にスゴイですね。
    巻末に引用一覧作って欲しかったくらい。

    とりあえず来年平ヶ岳登るかな!

  • 自分が山や自然と関わる中でうっすらと感じていたことに輪郭を与えてくれた。これだから本を読むのはやめられない。

  • これは冒険家角幡による哲学書だ!

  • そりゃ、冒険にだって哲学的なものは存在するし、山を一歩一歩登りながらいろんなことを考えてもいる。でも、もっともっと冒険とか自然に接することを素直にとらえたい。
     なんだか難しい言い回し(書き回し)で、読んでいていやんなっちゃいました。くどくどと言ってるけど、すっと言えることを遠回しに書いてるように思ってしまうのは私の頭の悪さと思ってご許しいただきまして候。10ページほどで中断。
     この本とは関係ないけど、最近中断する本が多い。いかんなぁ

  • 人はなぜ冒険し、山に登るのか。探検家・角幡唯介の「最大の実存上の謎」についに答えが! 結婚と冒険をめぐる人生論の極北を見よ!

  • 私が私であることの必然性と、その尊さに気が付かされた。
    流されてきた場で全力を尽くす、または思いつきに乗っかって猪突猛進に走る、という一見正反対に見える生き方をその時々で選んできたと自覚しているが、それが私が私であることを証明していると思わせてくれた。

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著者プロフィール

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
 1976(昭和51)年北海道生まれ。早稲田大学卒業。同大探検部OB。新聞記者を経て探検家・作家に。
 チベット奥地にあるツアンポー峡谷を探検した記録『空白の五マイル』で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞。その後、北極で全滅した英国フランクリン探検隊の足跡を追った『アグルーカの行方』や、行方不明になった沖縄のマグロ漁船を追った『漂流』など、自身の冒険旅行と取材調査を融合した作品を発表する。2018年には、太陽が昇らない北極の極夜を探検した『極夜行』でYahoo!ニュース | 本屋大賞 ノンフィクション本大賞、大佛次郎賞を受賞し話題となった。翌年、『極夜行』の準備活動をつづった『極夜行前』を刊行。2019年1月からグリーンランド最北の村シオラパルクで犬橇を開始し、毎年二カ月近くの長期旅行を継続している。

「2021年 『狩りの思考法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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