- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120053856
作品紹介・あらすじ
ヨーロッパと日本の両方で生活をしていく中で、その地の女性がどんな生き方をしているのか、どんな悩みを抱えているのか、など「その国特有の女性の立ち位置」のようなものも含めて「現場」を見てきた著者が、何気ない話をしている中で、それまで意識してこなかった日本と海外の違いを綴りました。
ヨーロッパでは、「美白よりこんがり肌がモテる」「生理の時はナプキンよりタンポン」「ワキ毛は剃らないのにアンダーヘアはゼロ」など日本女性からするとびっくりなことも。
本書で書かれている多様な女性の生き方から、「これは自分に合うな」という好きな部分だけを取り入れ、自分なりの優先順位を決めるヒントを探すきっかけにしてみてはいかがでしょうか
感想・レビュー・書評
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日本在住23年(’21年2月時点)の著者が女性の生き方全般において、人に聞きたいけど聞き辛いことを綴った本書。著者はドイツと日本のハーフで来日前は22年間ドイツに住まわれていたが、日本に限らずドイツ側の価値観に悩まされることもあったそうだ。
彼女の受けた感覚や周囲の反応(あと「発言小町」笑)を基に執筆されているが、おおよそ共感できた。以下、ほぼメモと化した感想を…
第1章 美意識のなぜ?
・タイトルの前髪問題(?)はここで取り上げられている。「ヨーロッパ圏では大人の雰囲気をもつ女性が支持されるから」「直毛で前髪を作るのが難しいから」との事。分かるのだが…やはり著者自身の意見だからか「そうは言っても髪質の柔らかそうなメルケル氏は前髪を作っていたような…」と余計なハテナが浮かんできたので、これはまたどこかで探るのが良さそう。
・マスクの項はなるほどーって感じ。
欧米では「マスク=不審者」扱いだったという。あちらが「口の表情」が見えないのは不気味だという認識に対して、日本では「目の表情」が分からないと不安がられる。それもあって欧米よりもアイメイクにウェートを置く、という方程式にも合点が行った。
第2章 結婚のなぜ?
・大学の専攻を仕事に直結させるのがあちらでは当然で、それを聞くと「もう少し頑張っても良かったかなー…」と思わずプチ反省してしまう。
・「本人が感じる幸せは必ずしも、周りから見た幸せと一致しない」この章…いや、本書で一番の真理(笑)
「どんな状況にあっても周りには何も言わせないぐらいの気迫が欲しいものです」これも激しく同意(笑) 著者とは案外気が合ったりして…?
第3章 子作り&育児のなぜ?
・やはりわが国は出過ぎているのか。「神秘信仰」のくだりは外国人でなくてもフリーズする。改めて解説を聞くと、古代神話の世界へワープした気分になる。冗談抜きで。
・著者ご友人による、家とパートナーを探すのはよく似ている説のわかりみが強かった笑
・本書一と言っていいほど人に聞き辛いテーマな分、一番頭を捻った章。何だかんだ言ってお互い大切に思えるのが第一だと今は信じている。
第4章 男女関係のなぜ?
ジェンダーギャップ指数2020にて、日本は153ヶ国中121位、ドイツは10位という結果に。伝統文化の世界(女人禁制)も結果に大きく反映されているのでは?との事。確かに色々と思い当たるが、これに関しては幾つもの裏がありそう…
話題が飛ぶこともあったが、読前にあったモヤモヤを少しでも減らせたと思う。
また行き詰まることがあれば、今度は著者との「ワイバーアーベント」(緊急性を帯びた女子会)を所望する。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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2022/02/15
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naonaonao16gさん
ですよねぇ~
此れから日本も○○○に変わって前髪が消滅?
でも美容師さん的には、前髪がある方がヴァリエー...naonaonao16gさん
ですよねぇ~
此れから日本も○○○に変わって前髪が消滅?
でも美容師さん的には、前髪がある方がヴァリエーション豊かになるでしょうから無くならない?2022/02/15
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容姿や結婚・家庭事情についての国や文化での違いについての本。
自分の容姿や生活は自分で決定していると思いがちだが、国が違えば捉え方や価値観も違うから、無意識的に社会に巻き込まれているんだなと思った。
日本では結婚して子供がいることが一般的だと考えられているがそれは政府の想像している家族像がそうだからで、シングルマザーや老後の一人世帯はそれに外れて貧困になりやすいし、子供の親権が片親のみだからパートナーに不満があっても離婚をする選択はないところという背景に納得した。社会の制度や法も関わる部分があるため自由にふりきれない状況もあるが、視野を広めたら別の正しさや評価基準があるわけで、選択肢はないと思っていても実際はあるんだなと少し気軽になれたかもしれない。 -
父親がドイツ人で母親が日本人である筆者の、主に欧州と日本の美意識の違いから結婚・子育ての違いまで女性の生き方にフォーカスしたエッセイ。
人種の違いは、人間の機能の違いというと大袈裟だけど、肉体的な得意不得意があると思う。
犬で例えたら、シェパードとチワワで出来ることが違うみたいな感じで。
だから自ずと考え方も違ってくるわけで、それに加えて住んでいる地域の気候や風土も影響して、慣習や風習も違ってくる。
その違いが書かれていて、興味深かった。
ー欧州の女性が前髪を作らないのは、ウェーブな髪の人が多いからでもあり、前髪は子供しか作らないという習慣によるもので、より大人っぽく見せたい気持ちがある人が多いために起こる。ー
知らなかったこともあったけど、何となく知ってることが多かったかな。
そして、ひとつのテーマについてもう少し深く掘り下げて書かれていると、もっと面白かったのになぁと思った。
ウェブで連載されていたものをまとめた本だから、仕方ないのかな。 -
著者のサンドラ・ヘフェリンさんがとあるラジオ番組のゲストで出演しており、ラジオでのトークも面白かったことが読んだきっかけ。
もちろん、タイトルにある「前髪」についてまるまる書かれた本ではないです。「なぜ外国人女性は前髪を作らないのか」というような素朴な疑問から、日本人や欧州人の特徴や価値観について書かれたもの。
面白かったトピックは、「ドイツ人女性はすっぴんの概念がないし、もし化粧をした時はニベアの青カンで落とす」とか、「ドイツのサウナでは男女混浴が当たり前」とか、「ドイツ人は不倫も新たな恋のスタートとして基本的には応援する意見の方が多い」とか。笑
あとは、ドイツと日本の結婚観の違いについても面白かったな。
女性の社会進出やフェミニズムの捉え方についても身近な問題に焦点を当てながら分かりやすく、客観的に捉えており、あまり個人的な感情を出さず淡々と事実や意見を述べている点が好ましかった。(サンドラさんがフェミニストという立場で述べているわけではないからかもしれないが。)
ドイツ、日本の両方の観点を持つサンドラさんならではの視点で、日常のあらゆる出来事が紐解かれており、私が今持っている価値感は日本で産まれて日本で育ったものであることを再認識した。そして、これからも様々な出来事に「普通って何?」という疑問を持っていたいと思った。 -
ドイツと日本にルーツを持つ筆者の視点から見た、美意識・結婚観・子作り育児などの違いが書かれていた。トピックスが身近なこともあり、難しすぎず深すぎず、ライトな視点で文化の違いを知れた。
筆者の視点が全て正しいというわけではないが、やはり違う国の文化や思想を知ることは面白いし、いかに日本的考えが自分に染み付いてるのか再確認。日本的考えが一概に悪いわけではもちろんないが、他の文化を知っていいなと思ったことは吸収していきたい。読みやすく、一女性として面白いトピックス、内容でした。 -
連続読み。
バーンとワンテーマじゃない分やや徒然的なのと、わずかに重複もあったので星1つ減。ただ、これは連載をまとめたという性質上、しかたがないことだとは思う。
出羽守、出羽守と自虐をくり返していて、著者はよっぽどこの侮辱語をぶつけられてきたんだなと察せられるがみな間違っている。
似たような育ちーー血統と生活史が大きく異なる2つの文化圏に50:50でまたがる・幼少期は母親がマイノリティ側・現在自分が住むのは母のホームグラウンド・こっちで出自()がバレたことがない程度にはバイリンガル()ーーの者として勝手に断言してしまうが、著者の「常識」の根っこはドイツにあるのだろう。
自分の身近に「びっくりするほどトンデモな異世界」があったら、そりゃツッコミのひとつも入れたくなるだろう。それを出羽守=在外経験を笠に着た「日本人」と呼び、日本国内でしか通用しない「オンナのくせに生意気だ!」というお叱り()を浴びせたところで意味はない。
「2つの祖国を持つ」と言ってくれた著者を、こんなふうに断じるのは忍びない。
だが「日本人じゃない」ほうが、きっと幸せだと思うのだ。他の(まともな)国のパスポートが喉から手が出るほど欲しい純血()日本人女性として保証する。
この国は、あなたの想いに値しない。
2021/3/9読了 -
自分も海外で生活していたことがあるため、共感することが多く面白かった。人から聞いた話だけでは足りず、何事も実際に現地へ行って経験しないとわからないことばかりであると改めて感じた。ヨーロッパ(特にドイツ)で生活しようと考えている人に勧めたい一冊。
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タイトルから軽い内容かと思いましたが、第二章からは自身のライフプランを考えさせられる深いもので、視野が広がるいい本だと思いました。
欧米の文化や価値観と比較することによって、日本の文化で身につけ(てしまっ)た、こうしなければならないという固定観念を取り払えそうです。
性への教育のありかた、学校で学んだことがそのまま職業に活かされるドイツ(どうしてドイツに専業主婦がほとんどいないのか)、こどもができても男女の関係でありつづけ自立している女性、養子をとる(自分の血にこだわらない)欧米人の考え方など印象深かったです。
この本を読んだ後、メイクに時間をかけなくなりました。
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ドイツ、日本の違いについて、色々書いてあり面白い。
一番は、性教育の部分で、日本は性教育をすると寝た子を起こす、ドイツは子供はとっくに起きている。確かに。