哲学漫想 (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120053894

作品紹介・あらすじ

2020年8月19日の逝去直前まで書き継がれた表題作ほか、戦後を代表する知識人が近年に雑誌・新聞に発表した単行本未収録の諸論考を集成。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 昨年惜しまれながら逝去した著者の最後の評論集。
    Ⅰは、表題となっている哲学漫遊が4編、いずれも「アスティオン」に発表された、知的好奇心を刺激する読み応えのある(いささか歯が立たない懸念も)哲学的思索。
    Ⅱは、雑誌に掲載された5編の評論。
    「二十一世紀の感染症と文明」では、コロナ禍について考察している。この禍に我々が耐え難いのは、「する」ことがないということ、要請されているのはいずれも何かを「しない」ことだと。
    Ⅲ、Ⅳは、新聞に寄稿した現代日本への鋭い考察。
    中でも刺激されたのは、「学ぶ意欲・能力」。
    ここで、中室牧子氏の一文を紹介して、著者も賛意を表しさらに論述する。
    政策として推進されている高等教育無償化は、格差拡大を助長する愚策だと。高等教育へ進む資格は「意欲と能力」なのに、就職に有利だとかみんなが行くからだとかで進学する現状を、打開するべきで、今や日本は「高学歴低学力」社会に陥ろうとしていると。
    卒業試験や留年制度を取り入れて義務教育を徹底し、高度専門教育を受けたい意欲のある若者だけが高等教育に進めば、少子高齢化での生産者人口の減少問題も解決すると。
    逆転的発想に共感できる気が大いに。

  • 哲学か…
    こんなふうに考えていることを明文化できることを尊敬する。
    何歳になっても頭が明晰で素晴らしいです。

  • 2020年8月19日の逝去直前まで書き継がれた表題作ほか、戦後を代表する知識人が近年に雑誌・新聞に発表した諸論考を集成。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1934年生。京都大学大学院博士課程修了。中央教育審議会前会長。大阪大学名誉教授。『世阿弥』河出書房新社 1964年、『鴎外 闘う家長』河出書房新社 1972年、『文明としての教育』新潮新書 2007年など

「2010年 『「教養」のリメーク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山崎正和の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×