- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120054310
作品紹介・あらすじ
母が嫌いだった。わたしの脳内は母の固定観念で支配され、わたしはわたしが嫌いだった。母から逃げるように飛び出した東京、タバコとパチンコに溺れた日々、愛想もお金も無いわたしを雇ってくれた水商売&雀荘、ひと時の夢を見せてくれたオトコ、“笑い”で幸せを運んでくれた先輩たち、そして、自分より大事な存在となった娘……。自分のことが嫌いだったオンナ・青木さやかが、こじれた人生を一つ一つほどいていく。生きることの意味を追い求めるヒューマンストーリー。
母との確執やギャンブル依存症など、自身の経験を赤裸々に綴った「婦人公論.jp」で話題沸騰中の「47歳、おんな、今日のところは○○として」に、書籍だけのオリジナル原稿を加筆。
感想・レビュー・書評
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国語の教師だったお母様との確執、上京して芸人として売れる前の同棲生活の様子や、またブレイクしてからの生きづらさが書かれています。
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心に残った言葉~
「親になって気づいたことがある。自分を大切にしていないわたしは、自分の一番大切な存在である娘を、大切にするのがとても難しいのだ。」
「毎日は忙しい。いろんなことを経験したって、とても未熟だ。イライラするし、傷つくし、大切な人を傷つけることもあるし、消えてなくなりたい夜もある。
母が、生涯抱えていたであろう生きづらさのようなものをわたしが引き継いでいるような気がする。その因果を娘に渡したくなくて、それと自分の残りの人生のために、わたしは生き方を変えることにした。」
青木さやかさん、カッコいいです!
私も、時々、生きづらいと感じることがある。
残りの人生、どう生きるか考えてみよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルは『母』ですが、母の事ばかり書いてあるのではなく
子どもの頃のこと、上京&同棲、売れる前の借金ギャンブル生活、運命の人、売れてからのいろいろ、結婚出産離婚、癌になったこと、ママ友のこと、そして母のホスピス&死など。
表紙に母とあるのは、母と共著であることを表しているのではないでしょうか。
私も母とはいろいろあって、今は円満ですが
人は皆どんどん変化しているから
この先どうなるかわかりません。
ただ今は「母があんなことしたから、今の自分はこんななんだ」と考えるのはもう終わりにして、いかに未来を良くしていくかを一番にしていきたい。 -
芸能人だとか、いわゆる文章を書くプロではない方の書く本、というのはあまり読んできていないのだけど、エッセイだし、何しろテーマが気になって、読んでみた。
たまたまwebで見かけた一部の抜粋は、青木さんがこれまでの人生の大半を、母のことは嫌いだ、と感じて生きてきたことが十分にわかるもので、同じ程度ではないものの、母というと複雑な思いを抱くわたしは共感してしまったのだ。
文章自体はとても読みやすく、一気に読めてしまう。時々挟まれることのある会話文は、型に囚われない、少し読みにくい、だけど、著者をテレビなどで知っている方ならその場面の想像が難くない、ちょっと緩む部分だった。
母と娘って、難しい関係だと思う。
わたしの思うところをここに書いてしまうと、本の感想ではなくなってしまうのでやめておくけれど、母、という存在に何かしら感じるもののある方には、一度読んでみて欲しいと思った。
嫌な気持ちになるかもしれない。けれど、時々、胸が苦しくなるかも、しれない。
そして今より少し、優しくなれたり、声が聞きたくなったり、するかもしれないです。 -
私の母は、青木さんの母親ほど厳しかったわけではない。少なくとも表面的にはそうだった。でも、物心ついたときから私は、母の視線が恐くて仕方なかった。学芸会などの行事では、「絶対に見に来ないでほしい」と懇願した。それでも見に来るので、本当に嫌だった。
母に見られていると、私は無意識に「正解」を探してしまう。自分がどうしたいかではなく、母が何を望んでいるか。授業中に教師に当てられて、答えなければいけないのに、答えがわからなくて硬直してしまう生徒。それが私だ。そんな私のことを、母は「無愛想で不機嫌」としか見てくれず、理解してもらえない失望でいっそう傷ついた。
結局、和解の糸口を見出せないまま、いまも確執を引きずっている。ただ、このままではいけないというしこりみたいなものもずっとあり、ヒントだけでもつかみたいという気持ちで本書を手に取った。
読み終えた感想は、「どちらかというと、こりゃ自叙伝だわな」だった。もちろん、青木さんの人生を振り返ることが、母子問題を語る上で必要条件なのはわかる。ただ、自分の人生に答えを出せるのは、結局自分しかいないな、と再確認した。
唯一の収穫は、私もやはり被害者意識を持っていたということだ。どこかで自分のことを「かわいそう」と思っていた。でも、これは〈加害者─被害者〉という図式では解決できない問題だった。今回は、それに気づけただけでよしとする。 -
芸人さんでありながら、文章の上手さにびっくりする。小説を読んでいるようだった。母との確執、そして母としての自分。静かに考えさせられた。
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面白かった。母との関わりの話よりも、売れるまでの青木さんの生活が面白かった。
さすが凡人には恐怖である消費者金融のカードに愛おしさも感じてしまうお方!やはりビッグになる素質がそこにもあるような気がする。
若い頃の青木さん、もしあったら友達になれるかな? -
内容は少し切なかったり、重かったりもするのだが、読後感が爽やか。気持ちの表現の仕方が分かりやすいというか、ストンと入ってくる。
特に病気になり、その不安を描いた部分。私自身ではないが、親がガンになった時の不安感がまさにこんな感じだなぁ〜と。
他の作品も是非読んでみたい。 -
文章が面白くてスラスラと読めた。