- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120054600
感想・レビュー・書評
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2022.2.27
帯の「この同窓会、絶対にやめた方がよい。高校卒業から十年、SNSに投げ込まれた爆弾とは」
の爆弾が気になって、
最後のページまでひっくり返るんじゃないかと一気に読みました。
オチはそっちか!という感じだったけど、
私も完全に岸本李矢に翻弄された一人でしょう。
でも、結局、岸本李矢以外の登場人物は全員、保身のためだったんじゃないかと。
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登場人物の特徴を把握するのに苦労した。
途中までは面白かったんやけど、
んーて感じ。 -
タイトルからして内容が想像できたが、すごい本だった。
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『感想』
〇スクールカーストの本って、読んでいてつらくなる。決してあっていいものではないが、人間それもまだ精神的に幼い子供が集まれば、どうしてもできてしまう。他人よりも上に立ちたい、自分の力だけで無理なら同じグループの力を使ってでも優位に立ちたい、これは人として当然の欲求で、子どもはそれをうまいこと隠すこともできない。
〇学校でつくられるカーストなんて、基準があってないようなものだから、簡単に覆る。だから中にいる人は維持しよう、できれば上に行こうと絶えず神経を張っている。
〇高校生の頃と、その10年後を行き来しながら話は進むが、登場する人物それぞれが成長できていないなあと感じていた。でも最後同窓会を行う時期には一気に成長している。特に井ノ川と花田。遅すぎるけどね。
〇やられた方はいつまでも根に持ってしまうのは仕方のないことかもしれないが、岸本は何もここまでしなくてもと思ってしまう。
〇岸本の家人って誰なのだろう。白麗高校の関係者だと思うけれど。この人って岸本を変わらせたそうだが、高校時代の恨みについては推進させているんだよな。それは違うんじゃないか。
〇忘れられるより嫌いが上っていうのは深い。人に認識してもらうには、好きか嫌いの片方にばかり寄っていては、みんなに知ってもらうことはできない。仕事でいえば、一部の人に嫌がられるくらいの方向を打ち出した方がかえって進むのもこの効果だと思う。
『フレーズ』
・実行委員の奮闘、みんなの思い出に残るといいね。でも忘れられると思う。このクラスの連中、あんたのことなんて見ていないからね。その点、嫌いは残るんだ。教えてあげるけど、忘れられるより嫌われるほうが上なんだよ。(p.177) -
高校の最後に埋めたタイムカプセル。10年後に掘り起こすということで立ち上げた同窓会のアカウント。初めは高校時代の思い出を語り合って盛り上がっていたが、一つの書き込みをきっかけに不穏な空気に。
「岸本李矢を覚えていますか」
いじめが原因で休みが続き、結果的に途中で転校してしまった生徒だった。
コロナ禍での「現在」と10年前の高校時代の「過去」。現在と過去を行き来しながら、若者達の苦悩が見えてくる青春群像劇。
スクールカーストやSNS、はたまたコロナ禍に翻弄される若者達が描かれていて、自分も学生時代を思い出しました。
あの時、相手はどう思っていたのか?
あまり知りたくない事ですが、小説でのそれぞれの心情が垣間見えて、楽しめました。
群像劇ですので、あらゆる人達が主人公となって、今の状況、あの時の状況が綴られています。
あらすじを見る限りでは、岸本李矢の存在が要となっていますが、個人的には若者達のコロナ禍(作品内では、新型感染症と表現)の苦悩がよく描かれているなと思いました。
コロナ禍の影響で、自宅待機や自粛警察といったタイムリーな出来事をSNSを通じて、巧みに織り込まれていて、同じような悩みを抱えている方には、共感をえるのではと思いました。
もちろん「岸本李矢」の謎にも迫っています。本人の視点は短めですが、その時の心情や怒りがふんだんに盛り込まれていました。周囲から見た「岸本李矢」、内面の「岸本李矢」。その時の心情だけでなく、10年経った後での心情など一つの出来事でも様々な視点から見ることで、色んな解釈ができました。
そして、色んな苦難を経ての同窓会のシーン。
同窓会では、ちょっとした驚きがありました。わかった瞬間、ある人物のパートを読み返したくなりました。二度読み返すことで、新たな解釈や発見もあって面白かったです。
いじめる側は、当時の出来事は覚えていなくても、いじめられる側は、何年経っても忘れることはありません。何年経とうが、もしかしたら復讐と化すかもしれません。
大事なのは、そういった出来事をどう心の中で処理していくのかです。なかなか難しい事ですが、成功した暁には、良い未来が待っているかもしれません。
作品をきっかけに良い「心の整理」ができるようになって欲しいです。 -
読んでいるとフツ、フツとストレスが溜まってくる。こんな高校は嫌だ。麗山高校3年6組。カーストトップの女王様、井ノ川を中心に上位・中位・下位とクラスの序列は明確だ。10年後同窓会が行われることになりクラスSNSが開設したが、そこに書き込まれた『遺言墨』という言葉。それが不吉な予感の始まりだった。とにかく登場人物の選民意識が凄くてドン引き。そして男女の区別がわかりづらい表記がストレス。withコロナ設定もストレスに拍車をかける。文章はうまいのでどう収束するかのみで読んだ。でもラストは個人的にはスッキリしない。