- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120054730
作品紹介・あらすじ
町田そのこ 2021年本屋大賞受賞後第1作目は、すれ違う母と娘の物語。
小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。
その後、私は、母に捨てられた――。
ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。
それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。
この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。
感想・レビュー・書評
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ドキドキハラハラする場面や
「なんで?」とイライラする場面も
ありましたが...
どんなことがあっても誰かの責任じゃなくて
自分の責任。
自分の人生は自分のもの
人のせいにするんじゃなくて
しっかり考えて行動していける人に
なりたいなと思いました。 -
母と娘の物語。辛く苦しい場面が続きますが、理想と現実、怒りと後悔、老いや病気など自分だけではどうにも出来ない状況や心理描写がリアル過ぎました。人は他人と比較したり優劣をつけたりする、許すことの必要を感じながら許せないこともある。きっと正解など見つからないのかも知れないが「わたしの人生はわたしのものだ!」だけは確かだと思う。読み終えた時の心象が表紙のデザインと重なりました。
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まるで傷ついてきた自分に言われてるようなセリフが多くて涙が何度も出てきた
心の処方箋になるような一冊になった -
読んでいて苦しくなる箇所もありましたが、なんだかすごく現実的。目を逸らしちゃいけないなと思う話でした。夫婦関係も親子関係も十人十色だし難しいけど、結局は相手を思いやる気持ちなんだろうな。
3分の2くらい読んだところで、あれ…前に読んだかも…と思い始め。
やっぱり読み終わった登録してた…
覚えてないもんだなぁ…笑 -
前夫のDVに怯える千鶴はラジオの投稿で準優勝に選ばれる。それは自分を捨てて出て行った母との最後の夏の思い出だった。子供の頃に傷を負うと大人になってもそれが自分のトラウマになって自分を縛っていく姿が怖かった。再び会った母と娘そして血の繋がらない人達との暮らし。最後に掬いがあって私も救われた。
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「宙ごはん」を読んで、一気にファンになった。
この本は2作目。
DVを受ける千鶴の描写があまりにも凄すぎて、
最初から、どきどきハラハラしながら読んだ。
いつまた、現れるか、逃げ切れるのか、
最後に、やっぱり出てきたときは、胸が張り裂けそうだった。
DVにしろ、虐待にしろ、痛みと恐怖で洗脳されて、
長い間苦しむことになる。
家族、親子、深く掘り下げていて、すごく考えさせられた。
子供の記憶は、大人の事情も社会のことも知らず、
自分の受けた感情だけで作られる。
楽しかった思い出が本当はとんでもない事だったり、
辛かった思い出が本当はいい事だったり、
成長しながら、少しずつ分かってくるものだと思う。
千鶴の場合は、ぶつりと途切れた思い出の中で、成長が止まってしまった感じだ。
「家族という言葉の呪いに縛られるな」という、
母聖子の言葉は、グサッときた。
家族だろうと、親子だろうと、一人一人の人生がある。
自分の人生は自分のもの。
若年性認知症の聖子の行動や言動を、とてもリアルに表現されていて、読んでいて、辛くてしょうがなかった。
よく、介護は最後の子育て、などと言われるが、
現実に家族は地獄を味わうことになる。
自分はとても子供たちに味合わせたくはない。 -
母と子の思いが伝わるね。彩子さん母子から孫も。結局は親子の血の繋がりは切れないのね。
それにしても弥一は最低な奴だ!岡崎も!