孝明天皇毒殺説の真相に迫る (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社
3.67
  • (2)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 26
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784120056857

作品紹介・あらすじ

慶応2年12月25日に崩御した孝明天皇については、その直後から「毒殺説」がささやかれていた。疱瘡(天然痘)に罹患したものの、快方に向かいつつあった天皇の容態が急変し、死に至ったからである。 戦後になると、ねずまさし、石井孝、田中彰氏らの近代史研究者によって「毒殺説」が主張されたものの、平成元年に原口清氏の論文が発表されるに及んで「病死説」が俄然有力になった。 著者は原口清氏の論文を批判して「毒殺説」を支持してきたが、近年(2020年12月)になって橋本博雄氏(医学博士)が論文「孝明天皇と痘瘡」を発表し、そこでは孝明天皇の症状の記録を検証する限り、痘瘡による病死とは考えられないという結論が導き出されていた。 これに示唆を受けた著者は関連史料を再読し、孝明天皇の死因は急性砒素中毒であることを論じたうえで、さらにその背後で画策した黒幕と、置毒した実行犯の女官の名前を割り出した。 本書は幕末維新史の再考を迫る内容を提示した表題作を中心に、近年発表のエッセイを収録した史論集である。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 精神科医が語る“孝明天皇・毒殺説”…天然痘による病死?実際は岩倉具視がヒ素を盛った? | ビジネスジャーナル(2021.06.14)
    https://biz-journal.jp/2021/06/post_231516.html

    毒殺説もある偉人「孝明天皇」が幕末に残した衝撃 「徳川慶喜」最大の庇護者、謎多き最期と存在感 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン(2021/08/22)
    https://toyokeizai.net/articles/-/449456

    ◆緻密に大胆に実行者を推理[評]長山靖生(文芸評論家)
    <書評>『孝明天皇毒殺説の真相に迫る』中村彰彦 著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/282279?rct=shohyo

    歴史小説家・直木賞作家 - 中村彰彦 公式サイト
    https://www.nakamuraakihiko.com/

    孝明天皇毒殺説の真相に迫る -中村彰彦 著|単行本|中央公論新社
    https://www.chuko.co.jp/tanko/2023/08/005685.html

  • やはり孝明天皇は毒殺された。首謀者は岩倉具視。今後のさらなる研究も待ちたいところです。孝明天皇の信頼を受けていた会津藩主・松平容保はさぞ辛かったことかと。題名以外の幕末ネタについても著者の短編集的な本になっています。

  • 孝明天皇毒殺説や幕末維新のことがよくわかった

  • 孝明天皇の崩御は天然痘による病死だったのか。それとも何者かによる毒殺だったのか。幕末維新史最大の謎の解明に挑む白熱の論考

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

中村彰彦

1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部卒業後、文藝春秋に勤務。87年に『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞を受賞。91年より執筆活動に専念し、93年に『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年に『二つの山河』で第111回直木賞、2005年に『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞。また2015年には第4回歴史時代作家クラブ賞実績功労賞を受賞。小説に『鬼官兵衛烈風録』『名君の碑』『戦国はるかなれど』『疾風に折れぬ花あり』、評伝・歴史エッセイに『保科正之』『なぜ会津は希代の雄藩になったか』など多数。

「2020年 『その日なぜ信長は本能寺に泊まっていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中村彰彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×