- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784120056857
作品紹介・あらすじ
慶応2年12月25日に崩御した孝明天皇については、その直後から「毒殺説」がささやかれていた。疱瘡(天然痘)に罹患したものの、快方に向かいつつあった天皇の容態が急変し、死に至ったからである。 戦後になると、ねずまさし、石井孝、田中彰氏らの近代史研究者によって「毒殺説」が主張されたものの、平成元年に原口清氏の論文が発表されるに及んで「病死説」が俄然有力になった。 著者は原口清氏の論文を批判して「毒殺説」を支持してきたが、近年(2020年12月)になって橋本博雄氏(医学博士)が論文「孝明天皇と痘瘡」を発表し、そこでは孝明天皇の症状の記録を検証する限り、痘瘡による病死とは考えられないという結論が導き出されていた。 これに示唆を受けた著者は関連史料を再読し、孝明天皇の死因は急性砒素中毒であることを論じたうえで、さらにその背後で画策した黒幕と、置毒した実行犯の女官の名前を割り出した。 本書は幕末維新史の再考を迫る内容を提示した表題作を中心に、近年発表のエッセイを収録した史論集である。
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
やはり孝明天皇は毒殺された。首謀者は岩倉具視。今後のさらなる研究も待ちたいところです。孝明天皇の信頼を受けていた会津藩主・松平容保はさぞ辛かったことかと。題名以外の幕末ネタについても著者の短編集的な本になっています。
-
孝明天皇毒殺説や幕末維新のことがよくわかった
-
孝明天皇の崩御は天然痘による病死だったのか。それとも何者かによる毒殺だったのか。幕末維新史最大の謎の解明に挑む白熱の論考