- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121004970
感想・レビュー・書評
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1988年の本。ちょうど日本でも精神分析(サイコアナリシス)が一般的になりつつあった時期で、当時この人の露出度は岸田秀と並んでピカイチだった記憶がある。フロイト理論を中心に愛と性との結びつきがどう解釈されるか、という内容。
十代の頃、あれこれ退廃的なモノに好奇心こそ持ったものの、現実には極めてノーマルな性愛感覚の下に暮らしてきた身の上ながら、実際はけっこう極端な十代の子たちが周りにいる現状。この子たちの極端ぶりが、改めてこの本を読んで少しわかったような気にさせてもらえる。
意外だったのが宮沢賢治への分析。この著者は特に宮沢賢治について一冊を書き下ろすほどの人だったのだけれど、一生独身で性愛への衝動を一切絶っていたこの人とを空海になぞらえて分析するところなど意外に意外が重なって面白く読めた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『犯罪心理学入門』が面白かった福島章さんの本なので。
書かれた年代のせいもあって実例が古いけど、中身は面白い。心理学に興味のある人には普通におすすめ。タイトルがちょっとアレだけど、中身は真面目に初心者向きにやさしいです。 -
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幻想から愛が生まれ、現実との検証の中で愛は成長する。窃視症、恋愛妄想、不感症、同性愛……。これらの精神病理は、幻想のまま歪んだ愛の悲しき姿でもある。一方、愛の不思議な姿に支えられて独自の文学を創造したのは宮沢賢治である。本書はさまざまな症例や、漱石・朔太郎・賢治・康成らの文学作品を素材にしたパトグラフィィの手法によって、幻想的な愛の姿を明らかにし、異常な愛に対する精神分析から、愛と人間の本質に迫る。 -
精神分析学の本。こういう本が好きな人は結構楽しめる。