フランス式エリート育成法: ENA留学記 (中公新書 725)

著者 :
  • 中央公論新社
3.86
  • (1)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784121007254

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 知らないこと多数だった。フランスの教育方法も興味深い。

  • 1984年刊行。仏国随一のエリート学校での通産省(当時)官僚の留学体験記。制度論ではなく、著者の実体験(留学時の政治情勢等を含む)が主に綴られており、将来政権中枢を担うであろうフランスの若者との交錯は興味深い。特に日本人に対する建設的な批判は膝を打つ。例えば、日本が他国からみて不可欠の存在と思わせる努力を怠ってきた点だ。また、この点の著者の敷衍だが、国際通商面での立場強化には、高品質や安価だけでは不充分で、他国にとって不可欠な物品の輸出、文化的優位の確立、文化面と通商政策との連動を要するとする。納得。
    さらには、組織の意思決定における稟議制の不備にもENAの学生が鋭く切り込んでいる。無責任体質を蔓延させるということだ。その他、批判ではないが、当時のフランスでは、日本の商社に羨望の眼差しを持っていたとのこと。ただし、その理由は不明。もっとも、フランス元駐日大使の言によれば、フランスで商社を作っても日本人に運営してもらわなければ無意味らしい。このあたりは、うまく呑み込めなかった点だ。

  • フランスは出身学校によって露骨な就職差別や給料区分がある日本以上の学歴重視社会。その中の頂点であるフランス国立行政学院(ENA)に留学した著者による種々の制度や文化の紹介。昔の本なので今読むと色々引っ掛かる所はあるが、ENAについて書かれた和書は少ないので貴重。かの国では官僚が職を辞さずに政治家や閣僚官房として活動し、その後元の職場の年次相応のポジションに戻る事が可能である為、官僚教育への注力はそのまま政治的エグゼクティブの充実にも繋がる故の国策ともとれる。

  • [ 内容 ]


    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1951年、滋賀県大津市に生まれる。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。北西アジア課長、大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任。在職中にフランスの国立行政学院(ENA)に留学。現在は徳島文理大学大学院教授を務めるほか、作家、評論家として活躍中。著書は150冊を超え、ベストセラー『江戸三〇〇藩 最後の藩主』(光文社新書)のほか、近著に『365日でわかる世界史』『365日でわかる日本史』(清談社Publico)、『日本の総理大臣大全 伊藤博文から岸田文雄まで101代で学ぶ近現代史』(プレジデント社)、『日本人のための日中韓興亡史』(さくら舎)、『歴史の定説100の嘘と誤解 世界と日本の常識に挑む』(扶桑社新書)、『令和日本史記 126代の天皇と日本人の歩み』(ワニブックス)、『誤解だらけの韓国史の真実』『誤解だらけの平和国家・日本』『誤解だらけの京都の真実』『誤解だらけの皇位継承の真実』『誤解だらけの沖縄と領土問題』(イースト新書)、『消えた都道府県名の謎』『消えた市区町村名の謎』『消えた江戸300藩の謎 明治維新まで残れなかった「ふるさとの城下町」』『消えた国家の謎』(イースト新書Q)など、日本史、西洋史、東洋史から政治、経済、文化など多方面でリベラル・アーツを重視する斬新な視点で話題となる。

「2022年 『家系図でわかる 日本の上流階級』 で使われていた紹介文から引用しています。」

八幡和郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×