- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784121011152
感想・レビュー・書評
-
本書では浜口本人がいかに真面目で清廉潔白な人柄であったかに主眼が置かれ、政策的な当否の評価はあまりない。
金解禁実施は、世論の大勢だから仕方なかった。ロンドン軍縮は高い内閣支持率と昭和天皇の後押しを背景に、信念のもと強行突破。そんなふうに著者ががんばって浜口を弁護するほど、読む方としては彼はよほど無能だったのではと勘ぐってしまう。実際に後に日本経済をリカバーする高橋是清は金解禁に否定的だったし、軍縮交渉では国内での根回しが足りなかったんでしょう、と。また、政友会から統帥権干犯を持ち出されて倒閣運動おこされたのも、散々やってきたことをやり返されたのでしょう、と。
もし浜口内閣や民政党政権の経済政策や外交に成果があれば、後の歴史が大き変わっていたことが予想されるだけに、浜口内閣の失策は大変もったいない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
波多野勝『浜口雄幸』(中公新書 1115)
昭和初期に内閣総理大臣を務め、金解禁を断行した浜口雄幸についての本です。
昭和期はあまり読まないのですが、金融関係という事で雄幸には興味があり読みました。
内容は、まあ、普通の人物史という感じで、その人の人生を追う形になっており、ついでに特徴を誇張する傾向はやっぱりありましたね…
でも、原敬なんかと比べたりして、思っていた以上にすっきりと読めました。
加藤高明との関係については「へえ」と思いましたし………
しかし、筆者は政党について何か思う事でもあるのだろうか…特に政友会…^^;
個人的に気になるのは、幣原と雄幸と昔からの友達だったん…? というところですかね………
あの部分、史料引用してくれてるのはいいんだけど、よくわからなかったよ………